毎年秋に恒例となっている農地法セミナーが、10月3日・4日の二日間にわたって東京の渋谷区千駄ヶ谷で開催された。31名の参加があった。主催者は、日本経営協会東京本部である(問合わせ先、03-3403-1891)。
セミナーに参加されたのは、大半が全国の自治体の農業委員会で実務に当たっておられる地方公務員の方々であるが、一部、関東の県職員の担当者も参加された。
今回のテキストは、拙著「農地法読本[5訂版]である。セミナーの時間数であるが、初日は、午後1時から午後5時までであり、二日目は午前10時から、昼食をはさんで午後4時までである。
講義の内容であるが、上記の本をテキストとして用い、重要ポイントを私が解説するという方法をとっている。質問については、二日目の昼食後に解説の時間を30分程度設けている。質問は、あらかじめ書面に書いて二日目の午前中に提出してもらい、午後に口頭で解説を行うというやり方で行っている。
質問を見れば、その質問者の実力が的確に把握できる。基礎的な事項が分かっている質問者は、それなりの質問を出してこられる。他方、初心者には、本を読めば分かるような初歩的質問が多い。
質問は、一人当たり原則1問である。ただし、どうしても追加の質問をしたい場合は、2問目までは例外的に認めている。しかし、これには条件があり、他の受講生が聞いても有益な質問に限定している。
ところが、中には、私の注意事項をよく聞かず、数多くの質問をしてきた受講生も残念ながらいた。その場合、ルール違反を故意に犯したという理由で、全問、ボツという不利益を課している。ルール違反があった場合にこれに対し厳しく対処しない、という態度は一番いけないというのが私の昔からのポリシーである。
なお、本日、テレビ報道で、神戸市立の東須磨小学校で、経験年数の多い教師複数人が、新人教師1人対し激辛カレーを顔につけるなどの方法でイジメていたというニュースを見た。教師のレベルも落ちたものである。
テレビでは、「イジメ」と表現するが、これは正確には、不法な有形力の行使に該当するものであり、刑法208条の「暴行罪」を構成する可能性が高い。紛れもない犯罪である。
イジメを行っていた複数の教師は、やってはいけないことをやったという意味で、完全なルール破りであり、公務員としての信用失墜行為を行ったといわれてもやむを得ない。当然に重い懲戒処分を受けるべきである。このような教師たる者の基本的資質を欠く者は、教育界から永久追放する必要がある。
また、今回の件について神戸市教育委員会の対応も、きわめて杜撰なものであったという報道も出ている。いつも思うことであるが、「教育委員会」という組織は、どうしていつもこのような甘い対応しかできないのか?教育委員会という制度設計に根本的な問題点があるように思える。
話がやや逸れた。なお、来年のセミナーの予定であるが、秋に今回と同様のセミナーが開催される予定となっている。なお、これは現時点では未定であるが、「農地事務担当者の行政法総論」というセミナーが新たに開講される可能性もある。
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