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弁護士日記

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腐りきったゴーンの姿

2020年01月09日

 昨夜遅く、テレビから、ゴーンがまくし立てる声が聞こえた。私は、余りテレビを見ないが(ニュース番組は別)、この日は音声のみ布団の中で聞いていた。
 ゴーンの姿は、「浅ましい」の一言に尽きた。本日、テレビでゴーンが話している姿を見たが、「何だこいつは?一体何様のつもりだ」と感じた。テレビなどで、企業のトップがステージに立って、新製品の紹介を身振り手振りを交えて宣伝する姿をよく見るが、そっくりであった。
 当たり前のことであろう。ゴーンはこの手のプレゼンテーションに非常に場慣れしているからである。新車の宣伝をする際の姿と、うり二つであった。
 したがって、自分に不利なことは言うはずはなく、全部自分にとって有利な話をしているのである。このようなゴーンの姿について、テレビ各局も朝の番組でコメンテーターがいろいろとコメントしていた。その意見は玉石混交であった。聞く価値のない意見の方が、かなり多かったように感じる。
 ただし、私は、昨年の秋から、テレ朝の羽鳥モーニングショーは絶対に見ないようにしている。理由は簡単である。コメンテーターの一人である玉川氏の発言が気にいらないからである。かつて玉川氏は、「あえて異論を言うようにしている」と語ったことがあるが、その意味は不明である。
 異論というものは、ある意見に対する反対意見という意味であるが、仮に「ある意見A」が正論である場合、相手方がそのことを分かりつつこれに反する「異論B」をあえて発言するのはおかしい。例えば、「ある意見A」は殺人行為はどのような理由があっても正当化されないというものであったとする(ただし刑法の正当防衛の要件を満たした場合は別である。違法性が阻却されるからである。刑36条1項)。この場合、間違った「異論B」つまり、殺人行為は、限定的な場合には正当化されるという意見をあえて述べる必要などない。その場合は、「ある意見A」に対しては、沈黙を守っているのがまともな人間という評価になる。あえて間違った意見など、テレビで公開するべきではないのである。
 話が少し逸れた。ゴーンの理屈は完全に間違ったものであり、これを弁護する余地はない。ゴーンが無罪か否かを判定するのは、日本の裁判所であって、被告人ゴーンではないからである。ゴーンの屁理屈が仮に通れば、裁判所など要らなくなる。結果、金力、暴力、権力などがある「力の強い者」の意見が、弱い立場にある反対意見を抹殺し、「正義」としてまかり通ることになってしまう。日本のような民主主義国家は、そのようなデタラメを容認しない。
 ゴーンが、どうしても自分が無罪であると言い張りたいのであれば、日本の裁判所の裁判の審理を通じて結果を勝ち取る以外にない。日本国憲法32条は、裁判を受ける権利を定めている。裁判を受ける権利は、まさに保障された権利なのである。ところが、ゴーンは、その権利を自らの暴挙によって放棄し、遠い中東のレバノン国で、「一人芝居」を演じた。
 腐りきったこの男が、一体どのような最期を迎えることになるのか、見ものである。

日時:15:43|この記事のページ

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