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弁護士日記

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ルトワック氏の見解を読んで思ったこと

2020年05月09日

 本日付けの産経新聞を読んでいたら、一面に、エドワード・ルトワック氏(以下「ルトワック氏」という)の見解が掲載されていた。ルトワック氏は、アメリカの歴史学者であり、世界的にも著名な人物である。
 私も、過去に氏の著作を数冊読んだことがあるが、その着眼点の斬新さまたは的確さに驚いたことがある。私の評価では、高い信頼の置ける人物のひとりである。なお、同日付けで、岐阜新聞には、アメリカの政治学者であるイアン・ブレーマー氏の「コロナ後の世界」についての見解が載っていたが、私は、かねてよりこの人物の意見には疑問を持っている。ほとんど参考にならない。物を見る軸が少しズレているように思えるからである。
 さて、ルトワック氏は、新型コロナ(武漢ウイルス)が世界に与えた影響について、EUは新型コロナへの対応に失敗したと言い、EUは今後、解体に向かって進むと分析する。この見立てが正しいものか否かは、余りにも大きな問題であるため、私には予想が付かない。
 しかし、すべての物事に共通することであるが、社会において一定の有益な目的があると(一例として、金儲けをしたいという目的ないし欲求)、その有益な目的を実現するために、人間は力を注ぐ存在である。EUも何らかの有益な目的があって初めて存在する価値が認められる。仮に欧州各国がEUとしてまとまっていても、ほとんど各国にとって有益でないのであれば、無理にまとまる意味もなく、解体に進む以外にないであろう。
 また、ルトワック氏は、中国について「新型コロナが人々の対中意識の変化を加速させる。誰もがウイルスは中国由来であり、中国当局が対応を誤ったことを知っているからだ」と述べ、また、米中対立についても、「トランプ大統領に有利に働くだろう」、「中国の同盟国はパキスタンとイランだけ」、イタリアも一時は中国側についたが、「イタリアは歴史上、間違った側について、後から態度を変えることで有名だ」とまで言う。そして、「一方、他の国々は中国に背を向け、米国に付いている」と分析する。
 中国の同盟国がパキスタンとイランだけという話には、やや疑問符が付くが(一例として、キム・ジョンウンが支配する北朝鮮は中国の同盟国ではないのかという疑問がある)、ルトワック氏の言わんとすることは大筋では間違いないと考える。
 日本のマスメディアなどを見ていると、勘違いというか、見当違いも甚だしい愚論をしばしば見かける。どういうことかと言えば、例えば、「日本は、中国と米国のせめぎあいを目の当たりにして、難しいかじ取りを迫られている」などという決まり切った論調である(NHKの記者などがよく言うセリフである)。実にバカバカしい限りである。
 なぜなら、中国は、共産党が支配する独裁国家・全体主義国家だからである。世界で一番警戒を要する問題国家である。真っ黒な国である。この国では、共産党の言うことが全部であり、評論家の石平氏流に言えば、「虚言癖」の国である。したがって、言うことの全部が信用できない。
 であれば、民主主義の基本に立って、アメリカ国民の選挙を通じて公正に選ばれた大統領が一国を代表するアメリカを支持する以外にないことは明白である。この点は議論の余地がない。
 日本は、西欧型民主主義を支持するまともな国々と連携して、中国という独裁国家の力を可能な限り弱めるよう努力すべきである。他国に対する侵略行為をする余裕ないし体力を奪うべく、今後、団結して行動する必要がある。
 日本は、米・中のどちらにも良い顔をすることはもはやできない相談と、そろそろ覚悟を決める必要がある。わが国固有の領土である尖閣諸島周辺のわが国領海への侵入を繰りかえすような、デタラメな国に対しては、毅然とした態度で臨む必要がある。中国という国は、威嚇によってわが国の主権を侵害しようとするような無法国家であるという正しい認識を持つ必要がある。たとえ今後1000年かかっても、中国の邪悪な意図を打ち破る気概をわが国民は持つ必要があると言えるのではなかろうか。
 ただ、その際、日本の防衛をどうするかという重要な問題に行き着く。このテーマについては、あくまでも私の知る限りであるが、弁護士で、まともな歴史認識を持っている人物はほとんどいない。ほとんど全員が素人のレベルである。
 そのくせ、周囲から「先生、先生」と呼ばれているため、勘違いする人物が出てくる。弁護士は、教員ではない。たかだか法律論について詳しい(法律問題については、国家資格のある専門家であり、一般人からの質問に答えることができる)というだけの存在であるから、本来は「先生」などと呼ばれる筋合いにない。せいぜい「〇〇弁護士」または「〇〇さん」と呼べば十分ではないのか。
 一番酷いのは、政治家を「先生」と呼ぶ悪習である。一体、政治家は、何の専門家なのであろうか?いいかげん、バカな政治家を「先生」と呼ぶことは止めにしたいものである。
 このように、弁護士は、法律家であっても、歴史家ではない。知っているのは法律理論だけであり、その他の分野にも造詣が深い弁護士など、あまり見かけない。司法試験の科目には、近代史の受験科目がない以上、歴史に関する知識がほとんどないのは当然と言えよう。
 昨今では、テレビのワイドショーなどにも弁護士の資格を持つコメンテーターがしばしば登場するが、一部の本当の識見を備えた尊敬すべき弁護士を除き、その他は、お笑いタレント並みのレベルにすぎない思っても良いであろう。そのような弁護士の発言は、ほとんど無価値であり、聞くだけ時間の無駄である。
 

日時:21:06|この記事のページ

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