052-211-3639

お問い合わせ電話番号
受付時間:午前10時~午後5時

電話でのお問い合わせ

弁護士日記

弁護士日記

Show the flag

2020年05月31日

5月31日付けの産経新聞によれば、アメリカは、中国が国家安全法の香港への導入を決めたことに対する対抗措置として、香港に認めてきた関税などの優遇措置を見直す手続に着手したと報道された。香港の優遇措置を撤廃するということは、紙面によれば、「香港にも中国本土と同じ対中関税が課され、中国に打撃となるという。私はこの分野の専門家ではないので、仮にそうなった場合に、現実にどのような悪影響が中国に及ぶのかは分からない。
 アメリカがこのような方針を打ち出した原因は、いうまでもなく「国家安全法」を香港に適用することを、香港ではなく、中国が決めたことに帰着する。昔、1997年に、鄧小平時代の中国は、サッチャー政権下の英国と合意をして、香港を中国に返還した。その際、「一国二制度」の確約を鄧小平は行った。50年間は、一国二制度を保障するという条件で、イギリスも同意したのである。50年間は香港に高度の自治を保障するという約束だった。
 ところが、中国は、その約束を破って、香港政府の頭越しに、北京が、香港に対し国家安全法を適用することを決めたのである。しかし、仮にそれが現実のものとなれば、結局、香港と中国は同じということになってしまう。一国一制度になってしまう。とすれば、共産党の独裁国家の仕組みが、香港にも及ぶことになる。
 つまり、中国共産党という悪魔のような存在が、香港全体に波及し、香港人には、言論の自由もなければ、集会の自由もなくなる。放送の自由ももちろんない。民主主義は完全に破壊される。いわば香港人の全体が、ダークな暗黒国家に組み入れられてしまうのである。香港人は、以後、中国本土の人間と同じような、惨めで過酷な共産党の支配を押し付けられるということになってしまう。
 「中国共産党反対」と叫んだだけで、警察に逮捕され、場合によっては行方不明者とされてしまうのである。そんなことは御免であると感じた香港人は、今、必死になって、一国二制度の死守を叫んでデモを行っているというのが現状であろう。
 さて、わが国の立場であるが、菅官房長官は、「香港の情勢を深く憂慮している」と述べるにとどめた(上記産経新聞3面)。先例重視・事なかれ主義・旧態依然の頭の固い外務省であるから、余り強い表現をとるとわが国の国益に沿わないという、例のごとく的外れの考え方を採用し、その立場から、上記のような「深い憂慮」というような曖昧な表現になったのではないかと推測する。
 しかし、これはおかしい。理由は次のとおりである。
 (1) たとえ、中国と英国の間の条約であっても、国家間の条約であることは間違いない。仮に合理的な理由もなく、国家間の合意を破っても何ら非難されないということになってしまうと、今後、わが国が中国と重要な条約を締結する際にも悪影響が生じること。つまり、国家間の約束など破っても、日本という「優等生国家」・「お人好し国家」・「性善説国家」・「文句を言わない大人しい国家」は、何をやっても全く強い態度に出て来ないと、バカにされることになるからである。
 そろそろ、わが国も、押し付け憲法の前文が描くような、おとぎ話的な国家観から脱却する必要がある。世界の国々は、油断も隙もない腹黒い国ばかりであるという現実主義に立つ必要がある。
 特に、中国などという国は、当面、世界で一番警戒をすべき国であることは、間違いない。中国共産党の描く「中国の夢」とは、要するに「他国の隷属」ということであり、中国、というよりは中国共産党さえ良ければ、他国がどんなに酷い目にあろうと、全く関心がないということである。中国は、歴史上、最悪の全体主義国家である。
 (2) 日本の安全保障のかなめは、アメリカとの防衛協力である。この点は、野党第一党の立憲民主党であっても否定できない大原則である。重要な問題の解答は、何も専門の学者が論じるような難解なものではなく、また、細かい専門知識も要らない。普通の高校生程度の歴史知識があれば、だいたい正解に到達することができるのである。
 第二次世界大戦が起きた原因は何か?いろいろな分析ができるであろうが、簡単に言えば、軍備を増強したドイツが、一発逆転を狙って、ヒットラーの指揮の下、軍事力の弱い国々に侵攻したことが発端である。なぜ、軍事力が弱い国が狙われたのかと言えば、それらの国々は、簡単に制圧することができるからである。
 ヒットラーは、「間違いなく戦争に勝てる」と判断したからこそ、戦争という手段に出たのである。最初から負けることが分かっている戦争を、あえてしたとは考え難い。
 しかし、軍事力が相当程度あったソ連や英国は、ドイツからの攻撃に対し、何とか持ちこたえ、終わってみれば、戦争に勝利している。ここでは、アメリカの参戦が非常に大きかったというのが、我々日本人の常識ではなかろうか。仮にアメリカが参戦していなかったら、英国もソ連も勝利できたかどうかは分からない。
 さて、現在、日本には核兵器がない。中国には、少なくとも数100発の核兵器があると言われている。また、通常兵器も、昨今では中国が日本を圧倒している。そうすると、全体主義国家である中国は、「押し付け憲法にがんじがらめに拘束されている日本など、今攻撃を開始すれば簡単に勝てる。日本国内の反日勢力を焚きつけて、改憲反対という声を継続させることが中国にとって好ましい」と考えている可能性が高い。
 そこで、大方の意見とは、日本とアメリカが防衛面で緊密に協力すれば、中国がおかしな気を起こさないようにさせることができ、また、仮に現実に中国が尖閣諸島や沖縄本島に侵攻を開始した場合も、共同防衛をすることで撃退することができる、というものであろう。
 そうすると、決定的に重要となるのは、アメリカの防衛協力を確保するためにアメリカの世界戦略に合致した行動を日本もとるということである。
 アメリカの世界戦略とは、一言で表せば、「中国をつぶす」ということに尽きる。中国をつぶして、二度と、アメリカに反抗しないような国に変えることである。丁度、戦前にアメリカが「軍国日本を叩き潰し、アメリカに反抗できない国に変えてしまう」と決断したのと同様である。
 以上のことから、日本は、八方美人であることはもはやできない段階に入っている。アメリカからすれば、「アメリカの方に付くのか、あるいは中国に付くのか、日本よ立場をはっきりさせろ」(Show the flag)ということである。
 結論を述べる。日本が、最悪の全体主国家である中国に与することは、地球がひっくり返ってもあり得ない。何だかんだと言っても、西欧型民主主義、自由、人権などを高く評価し、これらの制度を今後も維持しようという国々と共同歩調をとるほかないのである。
 日本は、中国に対し、はっきり物を言うべきであり、今回も、「深い憂慮」などという寝ぼけた表現ではなく、「国家間の約束を守らない中国を非難する」と明確に発信すべきであった。まして、独裁国家の親玉である習近平の国賓来日など、絶対に認められない。仮にそのような愚劣な計画を今後も安倍首相が遂行しようとするのであれば、即時退陣を求める以外にない。
 

日時:19:19|この記事のページ

ページの先頭へ

Copyright (c) 宮﨑直己法律事務所.All Rights Reserved.