058-338-3474

お問い合わせ電話番号
受付時間:午前10時~午後5時

電話でのお問い合わせ

弁護士日記

弁護士日記

世襲議員を一掃せよ

2020年09月30日

 世間を眺めてみると、世襲議員が驚くほどいることに気が付く。世襲議員とは、あらためていうまでもなく、議員という地位をその議員の子供や兄弟が受け継いで議員という職業についている人物を指す。世襲議員がなくならない理由として、よく聞くのが、世襲議員は、地盤、看板、カバンの3つを承継することができるため、選挙に強いという理由である。
 確かに、これまで何期も議員を務め、地元で名前が売れている人物が高齢のために引退し、その息子や娘が新人として出馬した場合、後援会の人々は、その候補者に投票してくれる可能性が高いため、他の対立する無名候補者よりも圧倒的に有利であることは明白といえよう。
 しかし、世襲議員という現象は、日本だけの独特の現象なのであろうか?西欧諸国やアメリカの場合はどうなのであろうか。また、アジアの諸国ではどうなっているのか。
 そもそも議員内閣制とは、公選の議員が国会で首相を指名し、首相に指名された議員が自分の政策に同調してくれる人物(ほとんどは国会議員)を閣僚に起用し、成立した内閣が責任をもって日本国の行政を遂行するという仕組みである。したがって、スタートである「公選」がまともに機能していないと、その後の全部がおかしくなる運命にある。
 日本では、政治家という職業は尊敬されないと聞く。正確には、政治家を尊敬しない国民の割合が諸外国よりも異常に高いということである。なぜ、尊敬されないのかといえば、根本的には、世襲議員の問題に行き着く。「世襲だからアホでも議員になれる」という意識が国民の心の奥底にあるため、そのような意識が蔓延するということではなかろうか。
 私も世襲議員は評価しない。それどころか、このような江戸時代の藩主(お殿様)のような固定した身分は、できる限り無くす必要があると考える。そのためには、議員の特権を廃止する必要がある。
 議員の特権の最たるものは、高額の歳費、ボーナス、通信費、政党助成金等などである。このような特権があるため、高齢の議員は、自分の引退と引き換えに自分の息子や娘に議員の地位を受け継いで欲しいと考えるのであろう。実に低次元の話である。
 もし特権を削ってしまえば、うまみはなくなるため、世襲議員の地位も魅力が失われ、世襲議員となることを希望する人間も次第に減ってゆくであろう。
 次に、世襲議員をなくす方法として、国会議員の定年を法制化する必要がある。定年年齢は、満70歳でちょうどよいのではなかろうか。70歳に到達した国会議員は、その日に自動的に失職することにするのである。
 このような意見に対し、職業選択の自由を侵害するものであり、憲法違反であるという異論があるかもしれない。しかし、この異論はおかしい。一般の公務員であっても法律で定年年齢が決められているのと同様だからである。定年年齢近くに達した公務員に対し、「もうすぐ定年ですから辞めてもらうことになります」と通知することは、全く問題ないのである。であれば、国会議員も同様である。
 感性が摩耗しきって、古い常識やしきたりに縛られ、権力を維持することだけが生きがいの年寄りの国会議員は、一日も早く国会から去って欲しいものである。もちろん、年寄りの国会議員の全員がそのようなお荷物であるという証拠はない。しかし、公平性・平等性を保つには、一定の年齢で線を引く以外にない。国会も、人体と同様に常に新陳代謝が必要なのである。
 また、同時に、衆参両議院の議員定数を半分にする必要もある。昭和の時代と違って、今は、AIが難しい問題に即答できる時代である。スピード感が昔とは全く違うのであるから、何も国会議員の定数を過剰に維持する必要などないのである。定員が過剰に設定されているのは、国会議員が自分が職を失いたくないためである。自分が可愛いいという個人的利害が、公益に優先しているのである。
 将来は、国会議員も少数精鋭で行かなければならない。いてもいなくても国家にとって微塵の影響もない「働かない議員」はもはや不要なのである。
 このような国会改革は、本来であれば、野党の方から積極的に提唱され、次回の総選挙の公約となるべきものである。仮にこのような多くの国民の共感を得ることができる政策を掲げることができたら、5年以内の政権交代も夢ではない。
 しかし、今の野党にはそのような根性もなければ、知恵もない。何もない。週刊誌の記者並みに、モリカケ問題のような些末な問題を追いかけて、ワーワー騒ぐことしか能がない(それでも高額の収入は保証されている)。
 これでは全くダメであり、国民の大多数が「野党には期待しない」という評価を下しているのも当然である。今のような状態の野党が政権を奪い返す可能性は全くない。今後少なくとも30年間はないと予想する。

日時:18:16|この記事のページ

ページの先頭へ

Copyright (c) 宮﨑直己法律事務所.All Rights Reserved.