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弁護士日記

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修学旅行の目的地として疑問あり

2020年10月16日

 秋ともなると、日本各地の学校では修学旅行が始まる。
 私も、小学校の当時、奈良へ一泊の修学旅行を体験し、その記憶は今でも強く残っている。
 奈良では、奈良市内の猿沢の池の近くの旅館に宿泊し、夜は、子供同士でまくら投げなどに興じた。夕食前だったか後だったかは忘れたが、旅館の近くには土産物を売る店が何軒かあって、そこで何か買った記憶もある。また、鹿の角切も思い出に残っている。角が生えた鹿を捕まえ、のこぎりで角を切るのであり、おそらく現在でも人気があるのではなかろうか。
 私は、昨年の秋に奈良の大仏を見た。東大寺の広大な敷地の中には、修学旅行の小学生や中学生が多くいた。大仏殿の中では、多くの修学旅行生が、あたかも満員電車の乗客のようにごった返しており、とてもゆっくりと拝観などできない。周囲に人が少なくなったタイミングで大仏の写真を撮ろうとしたら、どこかの小学生のグループに「おじさん、ここで写真を撮ってください」と元気に頼まれ、「分かった」と言って写真をとってあげた。
 さて、今年の秋に京都に行った。昔20年以上も前に、京都太秦にある「〇〇映画村」に行ったことがあったので、もう一回、訪ねてみた。
 感想は、「がっかり」の一言であった。何がいけないかといえば、「映画村」という雰囲気が全くないのである。何か安物の遊園地のような感じを受けた。正直なところ、文化の香りは全く感じなかった。
 余りの変容ぶりに驚いて、会場内の売店の係員に聞いたところ、約6年ほど前から完全に雰囲気が変わったという話だった。入場料は、大人が2400円であり、かなり高額である。また、中に入ると、「アトラクション広場」には、迷路館、からくり忍者屋敷、お化け屋敷などがあるが、どれも子供(小学生から中学生)向けのものであることが一目瞭然であった。当然のことではあるが、一般の大人のお客は、少ししか見かけず、おおよそ10人から20人程度であった(敷地内で何回も同じ顔を見かけた)。
 それ以上に、アトラクションをやっている建物ごとにさらに入場料を払わないと入場できない仕組みになっている。その料金も一か所で千数百円を要する。金儲け主義のにおいを感じた。
 私としては何も見るところがないので、仕方がなく、オープンセットの方へ歩いていった。オープンセットは、江戸の街を再現している。ここの様子は、20年以上前に来た当時と似通っていた。先ほどの人の話では、今では、オープンセットで映画の撮影をすることはほとんどないとのことであった。
 一番いけないと思ったのは、小学生、中学生の団体修学旅行生が非常に多くいたことである。おそらく近隣の各地の学校から団体で来ているのであろう。ここで、私が感じたのは、なぜ、このような安物の遊園地のような場所を、わざわざ大切な修学旅行先に選択したのかという疑問である。この場所が、公平に判断して、古都京都の古い歴史と文化と伝統を感じさせる場所であるとはとうてい思えなかったからである。
 せっかく修学旅行に来たのであるから、京都市内にあるもっと「歴史を感じる所」に引率するべきではないのか?学校の修学旅行担当の教師たちは、一体何を考えているのか。
 仮にも前例主義を守って、何もよく考えぬまま訪問先として〇〇映画村を決めたのであれば、その怠慢は責められるべきである。教師の悪口を言うのは気がひけるが、学校におけるイジメ問題などの対処の様子を見ていると、「事なかれ主義」の体質が染みついた多くの教師の安易な姿勢には疑問がある。
 また、学校と、昔からの学校に出入りしている業者(旅行業者)との長年にわたる癒着があるという話も聞いたことがある。旅行業者としては、修学旅行の企画を請け負うと莫大な利益が上がるため、絶対に手放したくないということであろう。
 同じことは、〇〇映画村にも言えるのではないか。しかし、修学旅行生頼みの経営は、近い将来、終焉を迎えるのではないかと予想する。
 以上、映画村と旅行業者の利害の一致、旅行業者と教師の癒着、教師と前例主義に凝り固まった学校長の思惑の3つが相互作用して、私見によれば、今回のような無意義な修学旅行となって表面に現れていると総括することが可能である。一番の被害者は、大人の都合だけで、このような場所に連れてこられた小学生であり、中学生である。このようなおかしな実態は、直ちに改善する必要がある。

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