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弁護士日記

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古田知事の5期目に期待感なし

2021年01月26日

 2021年1月24日、岐阜県知事選挙が終わった。投票の結果は、岐阜県の有権者の全有効投票数約79万票のうち、古田候補が約38万8000票、江崎候補が約31万9000票、その他二人の候補が合わせて8万2000票であった。古田候補は、江崎候補に約6万9000票の差をつけて知事の座を維持した。
 この結果について、地元の新聞には、要因を分析する記事が連日のように出ている。古田候補は、岐阜県下の主要経済団体の支持を取り付け、さらに、岐阜県選出の自民党国会議員のうち一人(大野議員)を除き全員の支持を取り付けていたのであるから、常識的に考えた場合、古田候補が大差で負けるということは絶対にあり得ず、せいぜい、僅差で予想外の敗北を期するという事態しかあり得なかった。
 私の見立てによれば、コロナが古田候補に有利に働いたという以外にない。その根拠とは、次のようなものである。
 第一に、古田知事は、今回の選挙の前に既に4期16年もの長い間、岐阜県知事を務めてきた。その間、発信力が
ゼロに近い古田知事は、一般の岐阜県民からは遠い存在であった。「顔の見えない県知事」ということであった。選挙ポスターの古田知事の笑顔など、今まで一度も見たこともないような「笑顔」であった。
 そうこうするうち、コロナ対策が県政においても喫緊の最重要課題に上り、当然のことながら、人の密を避ける必要もあり、選挙戦においても、候補者の合同演説会というような機会は完全に失われた。発信力も個人的魅力もない古田候補にとっては、もっけの幸いであったと思われる。直接県民の前で自分の政策を自分の口で訴える必要がなくなり、素の人物像を見透かされることを回避することができたからである。このことは、反面、対立する江崎候補にとっては相当の痛手になったと思われる。
 第二に、江崎候補について言及すれば、準備期間が少なすぎたといえる。選挙に向けた準備期間が、せめてあと1か月間余分にあったとすれば、今回の選挙結果がどうなっていたかはわからない。
 かたや、古田候補は、コロナのことで、新聞紙上などで発言が頻繁に取り上げられる機会が相当にあった。地元の新聞を通じ、「コロナ対策に専念する知事」という良き姿を県民にアピールすることができた。その効果が県民の投票行動に少なからぬプラス効果を与えたことはほぼ間違いない。他方、江崎候補には、表立った自己宣伝の場が全く用意されていなかった。
 さて、選挙は終わったのであるから、これ以上、あれこれと勝因または敗因の分析をしても余り意味はないであろう。問題は、今後である。古田知事は、当選確実の報道があった後の記者会見で、「最後の奉公」という言葉を自ら口にした。これは、5期で知事を終えるという意味であり、周囲もそのように理解しているはずである。今から4年後になって「6期目を目指す」などという発言は100パーセントあり得ない。
 私の考え方は次のようなものである。
 第一に、古田知事は、一体、今後4年間で何をしたいのか。その点が全く不明である。選挙戦でも何も主張していない。コロナ対策の方は、今後ワクチンの接種が進めば、勢いに陰りが見えてくるはずであり、知事として、来年(2022年)もコロナ対策に専念するという事態は考えにくい。最近(株)ブランド総合研究所が発表した都道府県別の魅力度調査によれば、岐阜県の魅力度は、全国で42番目であり、最下位グループに属する。東海北陸6県を見ると、静岡県が14位、愛知県が16位、富山県が26位、三重県が31位、岐阜県が42位、福井県が44位となっており、東海北陸6県の中でも非常に低い評価となっている。
 古田知事は、これまで16年間もの長きにわたって岐阜県知事を務めながら、この悪い成績しかあげていないのである。これが利益を上げることが最優先の民間企業であれば、とうの昔に社長を辞任させられているはずである。
 ところが、岐阜県下の自民党の大野議員を除く国会議員全員は、何を思って古田知事を支持したのか?おそらく、これまでのしがらみや義理人情あるいは対立する古参の県会議員に対する対抗心に縛られて、古田知事の続投を支持したのではなかろうか。特に合理的な理由などなかったと考えるほかない。このことは、県下の主要経済団体の支持表明にも当てはまろう。
 第二に、今から4年後には、間違いなく古田知事に代わって、別の新しい人物が岐阜県政をリードすることになる。その人物が、今回次点に終わった江崎候補なのか、あるいは古田知事の推薦する全く新しい人物となるのか、非常に注目される。江崎候補にすれば、中央省庁(内閣府)の幹部官僚を辞職して今回の選挙に出馬しており、いわば退路を断った状況にある。したがって、別の候補者への一本化には間違いなく反対の意向を示すはすである。これは現実には考えにくいが、古田知事が周囲から説得されて、江崎氏を自分の後継者に据えるため、今後、副知事に指名する可能性もないではない。
 なお、本日付けの地元の岐阜新聞を見ると「混乱の責任『誰かが』」とあった。しかし、これはおかしい。物の考え方が古すぎる。同じ保守陣営から二人の候補者が出ることは、むしろ好ましいことと評価できるからである。
 県知事候補が一本化されることは、例えば、保革対決というような場面ではあり得る。しかし、岐阜県のような土地柄では、有力な野党系候補が出てくることは、非常に考えにくい。仮に出てきても、いわゆる「泡沫候補」の場合が大半となるはずであり、最初から問題にもならない。
 一番いけないのは、自民党の幹部連中が密室で協議し、候補者を一本化することである。仮にそのようなことになれば、その候補者で事実上当選者が決まりということになってしまう。これは、県民から選挙権を事実上奪う行為に等しい。私も、ここ何十年かは、県知事選挙に投票に行っていない。最初から、勝敗がわかっているためであり、わざわざ投票に行く意味がないからである。
 自民党内の混乱は、一般県民にとっては大歓迎である。

日時:13:43|この記事のページ

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