日々、いろいろな事件やニュースが起きている。今回は、最近起きている事実に対する私の感想を若干述べてみる。
第1に、中国共産党の支配する強権・独裁・全体主義国家である中国から発生した武漢ウイルス(世間でいう「新型コロナウイルス」)の新規発生者の数が、日に日に減少している点をあげることができる。これは良いニュースである。緊急事態宣言を発出した効果が確実に現れているといえる。
他方、重症病床の使用率はやや低減傾向にあるが、依然として高止まりしているというニュースをよく耳にする。また、新型コロナによって死亡する患者の数はむしろ増加傾向にあるという報告も聞く。
ここで、マスコミの報道について違和感がある。「新規感染者数は減少しているが、死亡する者が増えている」という報道が盛んにされる。政府や都道府県の長も、死亡者数が減らないことを問題視しているかの如く伝えられ方がされている。マスコミ自身は、このことを一体どのように評価しているのか?という点が不明だからである。私の感じでは、そのようなことは否定的に評価するべきである、という風に聞こえてしまう。
しかし、これはおかしい。理論的に考える限り、新規感染者が明らかに減少傾向にあるとしても、過去に入院して比較的長期にわたって治療を受けている累積患者数が同時に急に低下するはずがないからである。したがって、死亡する者の数が増えること自体は、プラスにもマイナスにも評価することではないし、むしろ、自然の推移と考えるべきだからである。つまり、死亡者の数が増加していること自体は、何らおかしなことではない(何らかの不手際による結果ではない。)。また、問題視すべきことでもない。治療者側(医療機関)が最大限の努力を払っている限り、死亡者の数が増えても、そのこと自体はやむを得ないことであり、何ら怪しむべきことではないのである。このことから、現在、新規感染者数が顕著に減少していることを根拠として、今後、もう一段の減少がみられた場合は、その段階で緊急事態宣言をすみやかに解除すべきである。
問題なのは、これまで長期間にわたって医師の数(医学部定員)を抑制しようとしてきた日本医師会の間違った意見にある。重症者が死亡する原因の一つは、この点にあると考える。医師の数が仮に現在の二倍あれば、重症者も、現在よりも手厚い治療を受けることが容易にできたのではなかろうか。重症者の死亡者が増えていることを仮に非難することができるとすれば、唯一非難されるべきは日本医師会である。
第2に、これは失笑してしまった話であるが、本日付けの岐阜新聞によれば、日弁連(日本弁護士連合会)が、歴史上の人物の相談に弁護士が応じる漫画アニメをユーチューブに公開したという記事があった。例えば、「明智光秀を本能寺に行かせない篇」では、明智光秀が、主君である信長に対し怒りにまかせ刀を抜く場面があり、そこで登場する弁護士が「いけません。法律があなたを守ります。手だてを一緒に考えましょう」と説くという話が登場するそうである。
私の感想は、「ズレていないか日弁連」というものである。法的なトラブルを解決するため、弁護士がお役に立ちますというPR効果、つまり法律相談に来て欲しいという願いを表現したものであることは分かるが、光秀にしろ信長にしろ、「基本的人権の尊重」とか、「法の支配」という概念自体がなかった時代に生きた人物である。
その人物を引き合いに出して、光秀が抜いた刀を弁護士が六法全書で受け止めるという漫画は、果たして多くの国民の共感を得るに足りる品質を備えているか、日弁連の担当者は自問自答した方がよい。歴史上の有能な人物である明智光秀をバカにしているとも受け取られかねない今回のPRは、私だったら絶対にやらない。
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