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弁護士日記

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加害者に優しすぎる日本の刑事裁判

2021年04月12日

 2021年も4月を迎え、気候も次第に良くなってきた。
 寒い冬ともお別れの季節となった。
 ところで、私が昔から疑問に思っていることがある。日本の刑事裁判は、加害者に優しすぎるのではないか?という疑問である。加害者と一口に言っても、刑事事件の加害者の場合と、民事事件の加害者の場合がある(民事の加害者の場合は、民法709条の不法行為による金銭賠償責任が課せられることになる)。
 刑事事件の加害者とは、分かりやすく言えば、犯罪人ということである(公訴提起前は被疑者または容疑者と言われ、公訴提起後は被告人と呼ばれる)。私は、テレビは、まともなニュース報道を除き、ほとんど見ない。「時間の無駄」という以外にない余りにもくだらない番組が多すぎるためである。
 ニュースを見たり、聞いたりしていると、重大な罪を犯した犯罪人が逮捕されたというような報道が、連日のように行われる。また、犯人が逮捕され、警察や検察における取り調べを経て起訴され、刑事裁判において判決が言い渡されたという話題もしばしば目にする。
 ここで、よく感じる疑問であるが、「なぜ、日本の刑事裁判においては、こんなに刑が軽いのか?」ということである。例えば、お年寄りを騙して、お年寄りが大切に貯めたお金を奪いとる犯罪がある。詐欺犯である。しかし、犯人(被告)に前科がないような場合は、被告が反省しているという理由で、執行猶予が付いてしまい、結局、その犯罪者は、刑務所に入らずに済むことが多い。あるいは、他人とトラブルになって、かっとして他人を殴り、傷害を負わせたような場合でも、初犯者の場合は、やはり執行猶予が付いてしまう。
 もちろん、執行猶予にしても構わない犯罪もあろう。例えば、コロナで失業し、手元にお金がなくなり、結果、空腹に耐えかねて、店頭に置いてあったパンを盗んで食べるというような場合である。このような犯罪の場合、情状酌量の余地があり、また、被害額も少ないという事情から、犯人を刑務所に送るまでの必要性はないというべきである。
 しかし、全体的には、「なぜ、こんな悪質な奴を放免するのか?」という印象しか残っていない。また実刑判決が言い渡される事件においても、「この裁判官は、一体何を考えているのか?」と疑問に思うような軽い刑を言い渡して、お茶を濁している事件が非常に多い。これには枚挙の暇がない。
 記憶に残っているものでは、例えば、未成年者である他人を誘拐して、自宅に何年も監禁したような悪人に対し、信じ難いほど軽い刑を言い渡した裁判官もいた。仮に自分や自分の親族が被害者になった場合のことを考えれば、反省もしていない悪党に対し、このような不当に軽い判決など出せるはずがないのである。結局、裁判官には、「所詮、他人事」という悪い意味で冷静な意識が働いているではないのか?
 裁判所には「相場表」という刑の言渡し基準が昔からあると聞く。そろそろ、刑罰を重くして、犯罪の発生を抑制する方向に転換する時期が来ているのではなかろうか。私の感覚では、現在の相場表に対し、1.5倍を乗じると、ちょうど良い刑になる。例えば、現在、懲役10年の言渡しがされている事件であれば、懲役15年の刑の言渡しとするのである。
 犯罪人の人権の保障も、憲法の認める範囲において保障する必要があるが、より大切なのは、何らの落ち度のない「被害者」の人権である。その意味で、凶悪な重大事件を起こした犯人に対しては、徹底した捜査を行い、刑事裁判においては、躊躇なく死刑判決を言い渡し、もって、正義を実現する必要があると確信する(なお、無期懲役刑は、➀受刑者の日々の生活費を死ぬまで国庫が負担する結果となること、また、➁受刑者は拘束期間の長さに比例して反省悔悟を積み重ねるという客観的データがないことから余り意味があるとは言えず、結論として相当性を欠くと考える)。
(追記)
 たまたま2021年4月17日付けの岐阜新聞を見ていたら、「女児2人暴行男に懲役11年」という記事が載っていた。記事を読むと、事件を起こした被告は、多治見市内に住む無職の男(23歳)であり、起訴罪名は、強制性交等の罪(刑法177条。5年以上の有期懲役)および営利目的等略取誘拐罪(刑法225条。1年以上10年以下の懲役)と推測された。
 被害者はいずれも13歳未満の女子であり、被告は、ナイフを示して女児を脅して犯行に及び、また犯行状況を動画撮影するなど犯情も非常に悪い。このような悪質な男に対し、岐阜地裁の出口博章裁判長は、懲役11年という軽い刑を科した。これには、「この裁判官たちは、子供の人権を何と考えているのだ」と憤慨した。つくづくダメな裁判官たちだと思った。裁判官にとっては、結局のところ、他人事ということなのか?このような悪質きわまる犯罪者には、懲役20年の懲役刑の言渡しでも軽すぎると感じた。
 このようなおかしな状況が生まれる根本原因は、日本の刑法で、有期刑の場合、1月以上20年以下という制限があることにある(刑法12条1項)。つまり、有期刑の場合は最長でも20年で済むということである。アメリカの一部の州では、複数の重罪を犯した者には、50年程度の有期刑が科されることもあると聞く。日本でも、せめて有期懲役刑の上限を30年に引き上げ、また、子供を狙った悪質な犯罪を抑止すべく、刑法を改正し、罰を重くすべきである。
 なお、アメリカの刑務所では、このような子供を狙った犯罪を犯した囚人に対し、他の囚人たちがリンチを加えることがあるという話を聞いたことがある。リンチは違法であるが、他の囚人たちの気持ちは理解できる。
 

日時:21:13|この記事のページ

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