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弁護士日記

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憲法9条の改正を急げ

2021年05月03日

 私は、憲法9条を一刻も早く改正すべきであるという考え方の持主である。
 理由はいろいろある。各界の専門家による憲法9条の改正の是非をめぐる書物も数多く出ている。
 したがって、ここでは細かい議論は行わない。ただし、今回は、事実に基づいて憲法9条を至急改正する必要があることを指摘する。
事実その1
 世界には多くの憲法があるが、日本国憲法は、他国の憲法と比べ、どれほどの歴史があるのか?他国の憲法は改正されたことがあるのか?憲法を持たない国はあるのか?
 解説1 日本国憲法は、西修著「憲法9条を正しく知ろう」によれば、1787年に制定されたアメリカ憲法が一番古いが、1992年までに計18回の改正があった。二番目は1814年制定のノルウェー憲法であるが、頻繁(400回以上)に改正されている。以降、1831年ベルギー憲法(1994年~2017年。30回)、1868年ルクセンブルク憲法(2016年までに35回)、1901年オーストラリア憲法(1977年までに8回)、1917年メキシコ憲法(2017年までに225回)等となっており、世界の憲法は、多数回にわたって改正を繰り返していることが分かる。
 日本国憲法は、古い順でいえば、14番目であるが、改正されたことは皆無である。日本国憲法よりも制定年が新しい憲法は、極めて多い。例えば、1947年制定の中華民国(台湾)憲法は2005年までに7回、同年制定のイタリア憲法は2012年までに20回、1949年制定のドイツ(西ドイツ)憲法は2019年までに63回、同年制定のインド憲法は2019年までに104回、1958年制定のフランス憲法は2008年までに24回である。
 このように、成文の憲法を持つ世界の国189カ国中、成立以降、全く改正されたことがないのは日本国憲法だけということである。この事実を正常と考えるのか、異常と考えるのかであるが、普通の国際常識に照らして考えた場合、異常という以外にない。また、世界には、成文憲法を持たない国もあり、英国、ニュージーランド、イスラエルなどがこれに当たる(不文憲法)。しかし、これは極めて少数派に属する(上記西84頁)。
事実その2
 憲法改正を行うための手続の困難さについて、日本は、世界で何番目くらいの位置にあるのか?
 解説2 日本国憲法は、世界で一番改正が困難な憲法に当たる(西修著「憲法の正論」129頁)。ここでは、いわゆる主要国と呼ばれるOECD加盟の34カ国について検討する(民主主義が根付いていない国の実例をあげても参考にならないからである。例 ミャンマー)。
 OECD加盟34カ国中、そもそも国民投票の制度がない国が多数派の23カ国である。例えば、一院制をとるスウェーデンでは、議会の過半数の決議で足りる。また、二院制をとるフランスやスペインの場合は各院の5分の3以上の多数決でよい。仮に定数100人の場合、各院60人の賛成で憲法改正が可能となる。
 また、国会の議決に加え、州議会の議決が必要とされる国もある。例えば、カナダがこれに当たる。カナダでは、国会の方は過半数の賛成で足り、州議会では3分の2以上の賛成が必要となる(ただし、全部の州のうち、3分の2以上の数の州が可決するという意味である。)。
 国民投票を取り入れている国は、全部で8カ国あるが、うち二院制をとる国は日本を入れて4カ国あり、日本以外は、両院とも過半数で発議することになっている。また、一院制をとる国では、過半数が2カ国、5分の3以上が1国、3分の2以上が1国となっている。
 ところが、日本国憲法は、国会の発議要件として、衆議院および参議院の二つの院で、各議員の総議員の3分の2以上の賛成が必要であり、さらにそれに加え、承認の要件として、国民投票において過半数の賛成が必要とされている(憲法96条1項)。何か日本国憲法制定の当時から、将来の「憲法改正」自体を認めない、とする意図さえ感じとることができるくらいである。
 これらの事実から、日本で、過去に憲法改正が1回も行われなかった理由は、改正手続が極めて厳格に定められていたことが一番の原因ということができる。
 では、なぜ異例とも言いうる厳格な発議要件が憲法に規定されたのか?この点について、西氏は、「一言でいえば、日本国民に対する不信からである」と説く(上記西正論128頁)。西氏は、戦後、GHQで起草に関わっていたリチャード・プール氏のインタビューから、そのような結論を導く。私も同感である。
 付け加えると、GHQ最高司令官であったマッカーサーは、終戦時までは、最大の敵国(軍事的脅威)であった日本に対し、二度と国力を回復させないための法的な仕掛けとして、日本国憲法の草案(GHQ案)を作成したことは間違いない。
 敗戦国である日本としては、これを拒否する自由はなく、そのまま受諾する以外になかったのである。戦力の不保持を掲げた憲法9条2項という非常識極まる「悪法」であっても、当時の日本としては受け入れざるをえなかったのである。
 国家の存在理由は、究極的には、国土の保全・保持、国民の生命、財産、自由等の保障である。国民の生命、財産、自由等を脅かす最大のものは、他国による我が国への侵略行為である。具体的には、中国という専制国家による、尖閣諸島への侵攻である(なお、これは中国による台湾侵攻と深く関連する。つまり、尖閣諸島に対する侵攻と、台湾侵攻とはワンセットになっているということである。)。
尖閣諸島に対する中国の侵略は、島を占領した後、南シナ海で中国がやったとおり、島を要塞化し、重要な軍事拠点とすることにあると私はみる。いわば島が「不沈空母」となるわけであり、仮に基地ができたときは、対空母ミサイルが配置され、アメリカ軍の空母機動部隊も、危なくて尖閣諸島に近づくことさえ困難となる。そうすると、独裁中国共産党による台湾侵攻は非常に容易になるというわけである。
 中国という、他国の国民の人権を認めない史上最悪の独裁国(ウイグル人に対するジェノサイド、香港人に対する強権支配がその例である。)による尖閣諸島への侵攻に対し、日本は全力で防衛する必要がある。その場合、アメリカ頼みではいけない。まず、日本自身が全力で防衛を行うという決意が必要である。
 その場合、防衛の任務に当たるのは、高額の歳費を受け取って、何の経済的心配もなく国会で気ままな議論にふける国会議員の連中などではなく、自衛隊である。緊急事態においては、国会議員など何の役にも立たない。大規模災害の発生、あるいは戦争という緊急事態において、国民の生命・財産を守っているのは、自衛隊の皆さんである。であれば、その地位に敬意を払って、憲法9条に正式に位置付けをするべきである。
 立憲民主党の枝野代表は、「自衛隊を憲法に明記しなくても特に支障はない」という立場をとっているようであるが、これは完全に間違った意見である。
 私から見れば、左翼野党は、自衛隊の存在を憲法に明記することを恐れている、あるいは明記することで、非常にまずいことになると内心考えているのではないかと思う。すぐに頭に浮かぶことは、日本共産党がかつて主張していた、自衛隊解体論である(篠原常一郎著「日本共産党噂の真相」82頁)。正真正銘の左翼政党である日本共産党は、最近は、自衛隊解体論を正面から主張することは控えているが、仮に憲法が改正され、自衛隊が憲法に明記されることとなった場合、自衛隊の解体を目論む日本共産党にとって非常にまずいことになることは明白である。だから、憲法改正に絶対反対の立場をとっていると推測できるのである。
 2021年5月3 日付けの某新聞社説は、「本当に必要な憲法改正の課題がどこにあるのかを冷静に議論することだ」と書いていた。不見識も甚だしいという以外に言葉がない。この新聞社説のいうことを信じていたら、憲法改正という緊急課題は、今後、20年も30年も国会における議論の土台にのぼることすらないことになろう。この日本国において、平和に、また安全に日々の生活を送ろうとする国民は、このようないい加減な言論に幻惑されてはならない。
 なお、この社説は、対中国政策について、「平和的な解決しか日本が取る道はあり得ない」と主張しているが、寝言同然の他人事のような発言は、いい加減にしてもらいたいものである。一体、この社説のいう「平和的な解決」とは、どのような事態を想定しているのであろうか?
 中国は、尖閣諸島を自国のものと主張し、決して譲らないことは誰にでも分かることである。その前提に立った場合、「平和的解決」とは、中国の言い分を少なくとも半分は呑めということになる。そうすると、歴史的にも国際法的にもわが国の領土であることを否定することにつながる。本当に、左翼の人間の言うことには腹が立つばかりである。今後、中国と日本を含む西欧民主主義国家が、共存共栄することはあり得ない。結論は、「倒すか、倒されるか」である。日本は、最終的に勝つための戦略を周到念入りに準備する必要がある。
 結論。戦後いつまでたっても改正の発議をしようとしない野党国会議員(ダメ議員)の怠慢をこれ以上許してはならない(なお、ダメ議員は、与党内にも数多く潜んでいる。最近は特に公明党の国会議員が酷いと私には映る。)。
 2021年5月3日付けの産経新聞一面を読むと、「首相、改憲を衆議院選公約」とあった。菅総理には、改憲問題を主たる争点として、今後の衆議院議員総選挙において勝利してもらいたいものである。
                                                                                              
                                     

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