凶悪な事件が発生する昨今にあって防犯カメラは有力な抑止力となっている。
テレビの番組で「列島警察〇〇」などというものがあるが、番組を見ると、特にひき逃げ事件の捜査に、防犯カメラが活用されていることが分かる。
交通課の警察官たちが防犯カメラの映像を凝視して、車の色とか車種を絞りこむ作業は骨が折れるであろう。しかし、卑劣なひき逃げ犯を逮捕し、法の裁きを受けさせるためには必要不可欠の作業といえよう。私は、基本的に被害者の利益を最大限尊重する立場に立つ。加害者は、もともと、やってはいけないことを故意または過失でやっているのであり、私としては、そのような悪人の利益を過剰に擁護する意思は、弁護士になった当時から、さらさらなかった。
特に、組織的暴力を背景にした犯罪は、「法の支配」の原則とは全く相容れないものであり、そのような類型の犯罪者については、死刑判決を多く言い渡し、現世から地獄の底に放逐する必要がある。「永山基準」というおかしな基準を立てて、死刑判決を言い渡すのに慎重な姿勢を崩さない最高裁も、そろそろ考え方を大転換すべきである。自分で自分の首を絞めるような不合理な基準は放棄すべきである。
さて、私事であるが、私もかなり昔から防犯カメラを自宅の周辺に設置して、周囲の状況を観察・記録してきた。最初は、平成25年4月に岐阜県羽島市に本社がある某社に設置を依頼した。設置費としてかなりの金額を要したが、その割に画質が全く良くなく、不満があった。ところが、レコーダーが故障していることが昨年(令和2年)分かり、さっそく交換の作業に入った。
なぜ分かったのかといえば、昨年、たまたま近隣のアパレル関係の事務所(岐阜市千手堂南町〇丁目〇番地)が何者かに荒らされ、その捜査のために岐阜中警察署の刑事が「防犯カメラの映像を見せてもらえませんか」と来所したためである。私はすぐに協力し、防犯カメラの画像を再生しようとしたが、全然だめだった。レコーダーが壊れていたことが初めて分かったのである。刑事も、仕方がなく帰っていった。
そのような経緯があって、今度は、ネットで防犯カメラの業者を見つけて、そこに依頼した。そのネットの場合、ネット業者は施工に当たる業者は紹介するが、施工についての責任は持てないということであった。紹介して手数料をかせぐビジネスモデルであることが分かった。しかし、見積もり額が安かったので、紹介を受けた岐阜市内の個人業者に依頼することとした。
ところが、この個人業者は、防犯カメラについての専門知識がほとんどないことが分かった。なぜ分かったのかといえば、こちらからの質問に対する回答がいい加減なものだったことが分かったため、レベルが低いことが分かったのである。「安かろう、悪かろう」ということになった。
しかし、業者の人柄は悪くなかったので、結局、その業者に依頼することとした。新たに設置された防犯カメラの映像の画質は、以前依頼した岐阜県内の業者のものを上回っており、かろうじて実用に耐えるレベルにある。約数週間分の映像を録画することが可能である。先のお盆の時期にも、早朝、自宅ガレージ付近で不審な動きを示した軽自動車(ダイハツ ムーブか?)の映像を確認することができた。
また、これとは別に自分でネットで購入した防犯カメラを自分で複数設置しており、これは画質も非常に良いので大変役に立っている。人や車の動きが手に取るように分かる。仕事机の上にレコーダー兼モニターが置いてあり、何か異常を感じたときは、いつでも即座に周囲の状況を居ながらにして確認することができる。
なお、来年は、既存の防犯カメラのほかに、周辺の状況を正確に記録するために、高画質の防犯カメラ1~2台を新規に設置する計画を立てている。
防犯カメラは、画像が残っていることから、何かトラブルが起きた際に、確実な証拠を相手方に提示することができる点が優れている。もちろん、窃盗犯などの犯罪が起きることを抑止する効果もある。自分や家族の安全を確保するためにも、皆さんも防犯カメラを積極的に設置されてはいかがであろうか。
(追記)
昨日(2021.8.24)、凶悪な暴力団のトップに対する死刑判決が福岡地裁で出た。極めて妥当な判決であり、死刑判決を言い渡した足立裁判長に対し深く敬意を表するものである。野村被告は、判決後に、法廷で「後悔するぞ」と裁判長を威嚇した。しかし、後悔することになるのは野村被告の方である。担当裁判官を脅迫したとも受け取れる暴言を吐いたことによって、裁判所全体を敵に回してしまったからである。この裁判について引き続き審理することになろう福岡高裁の裁判官も、その後の裁判を担当することになろう最高裁の裁判官も、おそらく「裁判所をナメやがって。お前だけは絶対に許さん」と内心考えているに違いないからである。
Copyright (c) 宮﨑直己法律事務所.All Rights Reserved.