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弁護士日記

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次期新総裁は誰か?

2021年09月01日

 今年は必ず衆議院議員選挙が実施される。最近になって自民党の新総裁を選ぶ手続と、衆議院議員選挙の順番について、どちらを先にするかを巡っていろいろな憶測が渦巻いている。
 順当な見方は、先に自民党の総裁選挙を行い、その過程で自民党のエネルギーを高め、新総裁の下で、来たるべき衆議院議員選挙に打って出るというものであろう。おそらく現実にもそのような途を辿るであろう。
 そう考えると、まず関心があるのは、誰が新総裁に選出されるのか、である。菅総理は現職であるから、本来は当選の確率が高いはずである。ところが、岸田文雄氏が早々に出馬会見を開き、従来の「優柔不断」の印象をある程度払拭することに成功した。つまり、弱い岸田氏から、強い岸田氏にイメージを変えた。しかし、人間の性格というものは簡単に変わるものではないと思われる。単なるイメージ作戦に終わる可能性もある。
 目下、自民党の総裁選挙に出馬することが確定しているのは、菅総理と岸田氏の二人である。もう一人誰か参戦する可能性もある。私は、個人的には高市早苗議員に期待をしている。
 まず、菅総理であるが、たたき上げの経歴を持つ政治家であり、意思は固い人物と見る。また、自分個人の利益を図るというタイプの政治家ではなく、国家・国民のために政治を行おうとする真意があると見る。この人物に私心はないと感じる。
 しかし、弱点もある。幅広い教養というものが欠けているように思える。官僚が作成した文章をそのまま読むだけというスタイルは、おそらく、広範な知識や教養がないということから来ているのではなかろうか。しかも、雄弁家タイプではないため、国民の人気がない。したがって、衆議院議員の選挙において、日本各地の選挙区の自民党候補者からすれば、「菅総理が自民党の新総裁になったのでは自分の得票が伸びず、ひょっとすると落選するのではないか」という恐怖心が先立ち、いわゆる「菅おろし」の風が吹き始めたということであろうか。
 次に、岸田候補であるが、イメージチェンジを図ったことは良いとしても、それが本物であるか否かは疑問であり、ひ弱な印象が未だに残る。私としては、国家観の在り方が極めて重要であり、確固たる国家観さえあれば、その余の点は大きな問題ではない。では、国家観という言葉の意味であるが、私なりに簡単に言えば、日本の国の在り方についての見識であり、中国という共産党主導の独裁国家とどう向き合うのかという問題についての正しい基本方針を持っているかどうかである。私の持論は、中国という国との共存共栄はあり得ず、今後、中国共産党の権力を弱体化させるための政策を総動員するべきであるというものである。具体的に言えば、中国が喜ぶこと(歓迎すること)は一切しない、中国が嫌がること(抗議してくること)を長期間にわたって継続するということである。
 ここで、誤解のないようにしたいが、中国との戦争を望んでいるのではなく、中国が戦争という手段をとることがないよう、我が国としては万全の構えを構築する必要があるということである。左翼政党の似非平和主義者のように「平和憲法遵守、平和憲法遵守」と呪文のように唱えていれば平和が保たれるという完全に間違った幻想は捨てよ、ということである。
 ところで、菅総理は、最近になって自民党の二階幹事長を交代させる方針を固めたと聞く。二階幹事長は、一体どの国の利益を擁護しようとしているのか、その真意に疑念をいだかせる胡散臭い人物であり(ただし、この点は私見にとどまる。)、このような人物が与党の幹事長を務めている限り、日本の発展はないと考える。一刻も早く更迭すべきである。年寄には、一日も早く政界から完全引退してもらいたいのである。年寄がいつまでも一線で「頑張っている」組織(国家を含む。)に未来はない。
 後任の人事については、政治評論家がいろいろと見解を述べているが、私としては、少なくとも二階氏とは真逆の思想を持つ人物に就任してもらいたいと考えている。その意味で、二階氏との関係が良好のように見える岐阜市が選挙地盤の野田聖子議員だけにはなって欲しくないものである。私は、これまで国家観について何も語ってこなかった野田議員を全く評価していない。政治家人生において何を実現したいのか全く不明であり、また、政治的なセンスも感じられない。
 なお、政権運用の能力を著しく欠く左翼野党については、何も期待することはなく、そもそも論評に値しない。
(追伸)2021年9月3日、菅総理が、自民党の総裁選挙に出ないというニュースを聞いて驚いた。確かに、岸田氏と争っても負ける可能性が日に日に増していた現状では、仮に名乗りをあげても不名誉な落選という結果が待っていたかもしれない。それにしても、野党が臨時国会の召集をさかんに求めていたのは、国会が召集されたら菅内閣不信任案を提出し、与党がそれを否決すると同時に、菅総理が解散を宣言するだろう、という計略を立てていたからではないか。菅総理が解散すれば、自ずと菅総理が率いる自民党との闘いとなり、そのような状況は野党にとっては有利となる。ところが、菅総理が新総裁選挙に出ることを止めたため、少なくとも菅総理よりは人気がある人物(新総裁)が来たるべき衆議院議員選挙の自民党の顔となる。これは野党にとっては誤算といえよう。なお、本日、野田議員が総裁選に出馬する意欲を示したというニュースが流れた。悪い冗談はやめてもらいたい。

日時:18:56|この記事のページ

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