今年になって世界が一番懸念していたウクライナ問題について、遂に、ならず者国家であるロシアは隣国ウクライナへの軍事侵攻を開始した(2022年2月24日)。
このような事態が起きるかもしれないと予想することは、日頃から世界情勢に関心を払っておれば、そんなに難しいことではない。現に私は本年1月の時点で予想していた。侵略を開始した理由は、これまでも述べたことであるが、ロシアとしては、絶対にウクライナがNATOに加盟してもらっては困ると考えているからである。
しかし、主権国家であるウクライナが、どのような途を選択するかは、ウクライナ国民のみが決定できることであり、他国がこれに口を出すことはできない。純粋に国内問題だということである。しかし、強盗ロシアは、そのような国際法の原則を破ってウクライナへの侵略を開始した。
ロシアは、軍事侵攻を正当化するため、ウクライナの一部である「ルガンスク人民共和国」と「ドネツク人民共和国」について国家承認を行い、その国からの軍隊の派遣要請に基づきロシア軍を派遣したという理屈を並べている。しかし、そのような間違った理屈を本当に信じる者など、独裁者プーチン以外にはいないと思われる。
なぜなら、適法な国家承認を行うには、対象国が国家の資格を具備していることが国際法で求められているからである。手元にある「プラクティス国際法講義第3版」(柳原正治ほか編)83頁によれば、国家の資格要件として、1933年のモンテビオ条約1条が、➀明確な領域、➁永久的住民、➂政府、➃外交能力(独立)を掲げているからである。
しかし、上記の地域は、いずれも満たしておらず、今回のロシアの国家承認は、いわゆる「尚早の承認」に当たり国際法上違法である。分かりやすい例をあげると、ロシアと同じ独裁国である中国が、「沖縄国」を国家承認し、その「沖縄政府」の要請に基づいて中国人民解放軍を沖縄に派遣するようなものである。このような馬鹿げた理屈は、まともな日本人としては認める余地がない。
本来であれば、国連が事態の解決に乗り出すべきであるが、ロシアは国連の常任理事国であるため、国連がロシアに対し正式に軍事的な制裁をかけることはできない。ロシアが拒否権を発動するからである。このように、常任理事国が絡む紛争に関する限り、国連は全く役に立たない組織となっている。
このような緊迫した国際情勢のさなか、国会(参議院予算委員会)では、左翼政党の議員による実のない質問が次々と発せられた。質疑ということで、岸田首相や各省の大臣に対し、さも得意げに質問をしている「勘違い」議員の姿を見て、本質はお山の大将プーチンと同じだと実感した。こんな輩は、早く国会から去って欲しいものである。
無意味な国会質疑に時間を浪費することは、国家にとって損失である。政府の閣僚を国会に呼ぶことは基本的にあっても良いが、拘束時間が、諸外国と比べて長すぎる。本当に、日本の国会ほど、その存在理由が希薄な機関はないのではなかろうか。国の諸政策は、すべて霞が関の各省庁の官僚が作成してくれるのである。官僚が国家運営に必要な事項は全部お膳立てをしてくれるのであるから、別に国会議員などいなくても、国家の維持・発展には全く支障がないということである。
もちろん、政策に誤りがあり、国民が迷惑を被っているような場合は、国会として政府に対し是正を申し立てる必要はある。しかし、是正を述べるだけであれば、国会議員など、衆参合わせて200名程度で十分であろう。現在は、無駄飯を食うことができる議員が多すぎる(いても、いなくても国益に全く影響しない議員が大半である)。法律で余りにも過剰な議員定数が定められているため、おかしな人間でも、間違って当選できてしまうということである。
話が逸れたので、戻す。今回、独裁者プーチンは、悪知恵を働かせていろいろと謀略やシナリオを練った上で、今回の作戦はうまく行くと自信をもっているようである。しかし、国際法を踏みにじり、国際秩序を破壊し、戦争を堂々と起こそうとする今回の作戦は、あたかもナチスドイツのヒットラーがやったことと本質は同じである。ヒットラーがどのような悲惨な最後を迎えたかは、改めて説明するまでもなかろう。嘘つきプーチンには最大限の厳しい懲罰を与える必要がある。
独裁者というものは、ほぼ例外なく、自分の考えていることだけが正しく、自分を批判する者は全部間違っている(だから粛清する必要がある)と過信するものである。また、嘘の情報をあたかも本当の話のように発信するものである。したがって、プーチンの言うことは絶対に信用してはならない。全部が嘘で固められている。さらに、プーチンは核兵器の先制使用をも明言している。世界の国を脅迫しようとするとんでもない発言である。独裁者プーチンは頭がおかしくなったとしか言いようがない。
今やロシアは、世界(除く中国)の敵となった。ロシアは緒戦には勝ったように見えるが、最終的には破滅に向かうであろう(2月24日は「ロシア破滅の日」)。ロシアを破滅させるためには、西側民主主義国家は、今後、ウクライナのレジスタンス活動を強力に支援する必要がある。私は、悪魔のようなプーチンを絶対に許すことはない。独裁者プーチンは、いずれ暗殺されるか、自殺するかの運命をたどると予想する。
(追記)2月25日になって、いよいよロシアは、ウクライナへ国土への全面的侵略を開始した。最初からプーチンの狙いは、ウクライナの現政権を倒し、親ロシアの傀儡政権を樹立し、ロシアの意のままになる国にしようとしていたことが明白となった。これはウクライナの国家主権を完全に侵害するものであり、絶対許されないことである。何としても異常人格者であるプーチンを破滅させる必要がある。
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