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弁護士日記

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クマの殺処分を推進せよ

2023年10月20日

 最近、市街地に現れたクマによる人間の被害が多発している。
 テレビ報道によれば、現時点(10月20日)において日本全国で今年に入ってから109人の死傷者が出ているという。昨日19日も、岩手県八幡平市の林業の男性とその妻がキノコ採りをしている最中にクマに襲われ、夫は重傷、妻は死亡したという。また、秋田県の北秋田市では、住宅街のバス停でバスを待っていた女子高校生がクマに襲われて負傷したという。同じ日、同市内で4人がクマに襲われて負傷した。
 このような事故・事件の報道において、しばしば「命に別状がない」というフレーズが軽く使われる。しかし、これは非常におかしい。仮に命が助かったとしても、重い後遺症が残ったら、その人のその後の人生計画が大きく狂うことになるからである。決して軽く見てはいけない。例えば、元気に山菜取りをしていた80歳の高齢者が、クマに攻撃され、怪我をして病院に搬送され、手術で助かったとしても、以降、ベッドで寝たきり状態になってしまったら、大変な不幸である。
 このように、今年は例年になくクマによる事故が発生している。専門家の話では、クマの餌となる木の実が不作という。確かに、餌がないため、クマが餌を求めて山中から人家付近に出てくるということは分かる。しかし、それだけでは十分な説明になっているとは言えない。
 やはり、大きな要因として、3つあるのではないか。
 第1に、中山間地でこれまで農業を経営していた農家の年齢が年々高齢化し、農業から引退を余儀なくされるということが大きい。そうすると、これまでは農地としてそれなりに整備されていた農地は次第に荒れ果て、年々山林化してゆく。つまり、本来クマが生活していた自然環境と似てくるということになる。そうすると、クマは、これまでよりも市街地に近い区域に進出してくることになる。北秋田市の事例は、まさにこれである。
 第2に、クマの個体数が以前よりも増えているのではないか。環境省による大規模な生体個数調査が行われていないため、クマの個体数を正確に把握することは極めて困難である。しかし、常識を働かせて考えれば、クマの個体数は間違いなく増加しているはずである。
 第3に、クマを殺処分することができるのは、法令で許された免許を持った人物ないし団体だけである。猟友会がこれに当たる。ところが、聞くところによれば、猟友会のメンバーの年齢が高齢化しているという。これでは、クマを駆除する実働部隊が減少するということにつながり、クマとしても、人間の脅威を感じることなく、我が物顔に歩き回ることができる。
 しかも、猟銃の所持・使用を管理する警察は、猟銃を使うことを厳しく制限している。そのため、猟友会がクマを駆除しようとしても効果的に動くことができない。警察が猟友会の活動を阻害している。本日のテレビニュース画像は、北秋田市内で、小型パトカーが走りながら「不要な外出は控え、建物内から出ないようお願いします」と呼びかけている様子が出ていた。しかし、これはおかしい。
 現場の若い警察官は、おそらく上司である課長から命令されて呼びかけていることは間違いない。その課長は、上司に当たる署長から命令を受けたのであろう。しかし、「建物から出ないように」といわれても、仕事で出なければならない人、学校へ通学しなければならない生徒、買い物に出なければならない主婦等、建物から出ざるを得ない人々はいくらでもいるのである。
 このような小手先の呼びかけでは、問題の根本的解決にはならない。問題を解決するには、猟銃を活用したクマの大量殺処分が有効である。
 猟銃の使用について、秋田県公安委員会つまり秋田県警察本部が、頭を使って、猟銃をもっと活用できるように規則(運用規則)を改めれば済むことなのである。一体、秋田県警本部長は何を考えているのか?秋田県警本部長は、尊い人命を守り、社会不安を除くという目的から、自ら積極的に動いて、東京霞が関の警察庁に働きかけて運用の改善を働きかける必要がある。仮に「面倒だ。わしは何もする気がない。」という意思であれば、そのような怠慢本部長は、公僕精神を欠く公務員というほかなく、もはや秋田県警には必要でない。とにかく県や市を含めた行政機関の動きが遅すぎる。何もやる気がないように見える。
今後、一体何人がクマに殺されていくのを、手をこまねいて待てばよいのか。警察も全くダメである。緊急事態であるにもかかわらず、全然頼りにならない。クマは人間ではないから、被害者がクマに対し裁判を起こし、損害賠償金をとるということもできないのである。自分で用心して保険に加入していた場合に、保険金が出るのか否かもはっきりしない(損保会社の専門的見解を確認する必要がある。)。このように救済手段がなく、完全な「やられ損」である。行政機関よ、人命を守るための有効な手段を早くとれ、と言いたい。
 なお、クマの殺処分を進めようとすると、必ず、似非動物愛護団体から「動物の命を軽視するな」という抗議が来るであろう。しかし、そのような間違った意見に惑わされてはいけない。人間の命と、野生動物の命と、どちらが大切か?人間の命に決まっている。動物は、人間の生命・自由・権利を侵害しない限度で生存が許される存在であって、適正な個数までクマを殺処分をすることは当然に許されるのである。クマについては、現在の生存数の2~3割程度は数年以内に殺処分する必要がある(このことは、北海道のヒグマについても当てはまる)。大量の殺処分が許される理屈は、次の事例を考えればすぐに分かる。
 例えば、県内のどこかの養豚場で、恐ろしい豚熱が発生した場合、周辺の一定の範囲内の養豚場で飼われている何千頭という大量の豚は、問答無用で殺処分される。これに対し文句を言う者は誰もいない。理由は簡単である。周辺の養豚場に、これ以上ウイルスが拡大しないようにするという正当な理由があるからである。第1に、周辺の養豚場にいる多くの健康な豚の命を守ることと、第2に、周辺の養豚業者の経済的利益を守るためである。だから、文句が出ないのである。
 

日時:11:14|この記事のページ

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