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弁護士日記

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死刑制度は必要不可欠な制度である

2023年11月09日

 2023年11月7日、岐阜県弁護士会の方から「死刑制度に関する会内アンケートご協力のお願い」という文書が送信されてきた。低い給料と物価高が国民的関心事となっているこの時期に、「何だこれは?」と思った。発信人は、「死刑制度検討PT」座長Oという弁護士である。文書の内容を読むと、岐阜県弁護士会の総会で死刑制度廃止に向けた決議をしたいところ、会内から、令和5年5月24日付けで会員総会の決議事項として上程すべきでないとの意見が出た。その意見の中で、令和3年8月実施の会内アンケートで、「死刑廃止決議案を会員総会の決議事項とすべきでない」との意見が相当数に上ったことを踏まえたとしている。今回、再びアンケートをする理由として「最近の会内世論を把握するため」と明記されている。何が「会内世論だ」。
 これを読んで、要するに、岐阜県弁護士会で、死刑制度廃止の総会決議をしたい、そのために正当化の材料を集めたいのだと推測した。一般社会の住民の皆さんは、一部の弁護士がこのような活動に熱をあげていることは、ご存じないであろう。このような活動に対しどう思われたであろうか?私は、100%否定である。そこで、アンケート用紙に「死刑は必要不可欠の制度である」と記入し、さらに「弁護士会はこのようなことに首を突っ込むべきではない」と書いて、弁護士会事務局に対し、送信しておいた(2023年11月7日)。
 死刑廃止の運動をしたければ、自分の信条に従って自由勝手にすればよいではないか。誰も反対しない。ところが、彼らは、それを「岐阜県弁護士会の総会決議」にどうしても結びつけたいという思惑があるようである。岐阜県弁護士会を巻き込みたいということなのか?なぜ、彼らは、そこまで拘るのか?
 すると、本日(2023年11月9日)、岐阜県弁護士会の方から、死刑制度検討PTの名前で、再び、「死刑制度等に関する会内アンケート実施にあたって」という文書が送信されてきた。いろいろと理屈が書いてあるが、結論は1行、弁護士は、「積極的に死刑制度に向き合い意見表明をしなければならないのではないか」とあった。
 これには驚いた。死刑制度に対し、それを是認するか、反対するか、あるいは沈黙を守るかは、内心の自由にも深く関係することだからである。それを、弁護士たるもの死刑制度に対し、YESかNOの意思表示をすべきであると論じているように読めたからである。弁護士には沈黙する自由はないと言いたいのであろうか。これでは、共産主義独裁国家の思想と変わらないではないか。実におかしな主張である。これは認めるわけにはいかない。
 死刑制度については、賛成する者も、反対する者も、論理を駆使して相手を論破できると勘違いしてはならない。死刑制度についてどう思うかという問いに対する答は、論理ではなく多分に感性ないし文化の問題となるからである。
 例えば、全く落ち度のない市民を標的に、複数の強盗犯が住宅に押し入って住人を襲い、被害者を死亡させ、金品を奪って逃走したという凶悪事件について、何故、死刑ではなく無期刑にする必要があるのか?死刑でよいではないか。反対論者は「人権、人権」と声高に唱えるが、ここで言う人権とは、一体誰の人権を指しているのか。結局は、凶悪犯罪者個人の人権である。しかし、一方で、無残にも殺害された被害者の人権をどう考えるのか。彼らは、この点については、沈黙を守りとおす。
 私見によれば、何ら落ち度のない市民が殺害された場合、凶悪犯人も、国家によって死刑の言渡しを受け、同じく殺害されなければならないのである。これは、一種の合法的殺人ということであって、当然に許容される。簡単に言えば、他人の生命を奪っておきながら、自分だけが生存しようとするのは虫が良すぎる。
 ここで、彼らは「冤罪が起きたらいけない」という理屈を持ちだす。冤罪は絶対にあってはならない。それは、当たり前のことである。そのために、刑事訴訟法という法律があり、地裁、高裁、最高裁という3段回の審理を経て、慎重にも慎重を期するよう制度が設計されているのである。反面、証拠が明白であり、本人も罪を認めているような事件については、冤罪はほぼあり得ない。
 日本は先進国に含まれるが、日本の犯罪発生率が他の先進国と比べて低い原因は、ひょっとすると日本が死刑制度を堅持していることと関連性があるかもしれない(ただしこの点は、刑事政策の専門家による学術的分析が必要である)。
 死刑制度は必要不可欠な制度であることを説明することは、いくらでも出来るが、今回は、ここまでとする。以上、一般社会の人々に対し、新聞には掲載されない岐阜県弁護士会の動きをリポートした。
 

日時:19:24|この記事のページ

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