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弁護士日記

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懲役25年では軽すぎる

2023年12月01日

 北海道の旭川市で2022年9月に、小さい子供にBB弾を投げ込まれた家の住人が、謝罪のために訪れた子供の両親をナイフで刺殺した事件について、本日(2023年12月1日)、旭川地裁は、検察官が求めた懲役25年を認め、25年の有期懲役の判決を言い渡した。
 これでは、いかにも刑罰が軽すぎる。両親のうち夫は死亡、妻も重傷を負ったと聞く。普通に被告人の自宅を訪問した普通の夫婦に対し、このKという被告人は、殺傷力の高いナイフを使って被害者の身体を20か所以上も刺し続けたというのである。これは、強い確定的殺意が優に認められる事件である。
 しかも、事件の発端は、子供のイタズラを謝罪に来た両親に対する、おそらく怒りから来た短絡的行動にすぎない。何の正当性もない卑劣かつ残忍な行為である。このような凶悪事件に対し、懲役25年という判決は、いかにも人の生命を軽んじた不当な判決であると言わざるを得ない。普通人の感覚から言えば、必ず死刑にするべきである。
 Kという凶悪な犯罪人を死刑に処し、この世からあの世に送ってやるのである。それが、せめて被害者側に対する供養となる。今回の事件で、BB弾を投げ込んだ子供にとっては、父親が、Kという卑劣で凶悪な者によって殺害されてしまったのである。これは、子供に対し物凄い悪影響が生じる出来事である。一体、Kは、どのようにしてケジメをつけるつもりなのか?無責任にも程がある。
 ここで、検察官の求刑にも大きな疑問が生じる。なぜ懲役25年というような軽い刑を求刑したのか?本当に、最近の軟弱な姿勢の検察には失望する。もちろん、担当検察官が自分の一存で懲役25年の求刑を決めたわけではなく、上司に当たる次席検事およびその上に位置する検事正の決裁を受けてのことであることは分かっている。懲役25年という不当に軽い求刑を決めた責任者は検事正ということである。思うに、そのようなおかしな考え方を持っている検事正は不適格と言う以外にない。検察官としての資質を欠くということである。早く退官することをお勧めする。
 一方、弁護人は、記事による限り、過剰防衛とか殺意はなかったと主張したようであるが、説得力を欠く主張は、ほどほどにすべきであろう。被害者に対し、ナイフで20か所以上も集中的に刺しているのであるから、殺意がなかったなどと言うことは不見識の誹りを免れない(もちろん、「刑事弁護」の教科書的立場からすれば、その主張に違法性はないことは私も分かっている)。
 私も弁護士になる学生の当時、新聞等で凶悪事件のニュースを聞いた際に、当該事件の弁護人が、一般常識から離れたおかしな主張をするのを知って、「何を言ってんだ。この〇〇」とつぶやくことが何回もあった。
 凶悪犯には厳罰が有効であり、特に、殺人事件については、加害者に酌むべき特段の事情(例えば、繁華街で見知らぬ暴力団員から因縁を付けられ暴力を振るわれたため、ナイフで反撃したところ急死してしまったような場合)がない限り、原則、被告人には死刑判決を言い渡すべきである。仮に死刑ではなく無期懲役を言い渡した場合、刑務所で監督に当たる職員(刑務官)の人件費が余分に発生し、また、拘禁先の建物(刑務所)の運営・維持管理費も多く発生するという弊害がある。これは国家予算の無駄使いである。
 凶悪犯に対しては死刑判決をどしどし言い渡し、現世から完全に排除する。そして、平和な社会を維持することが肝要と考える。
(追記)
 その後の北海道文化放送の報道によれば、この冷酷な殺人鬼であるKという名前の被告は、本年12月11日付けで、札幌地裁が言い渡した懲役25年の刑を不服として札幌高裁に控訴したと言う。もちろん控訴をするのは被告人の権利であるから、控訴したければ控訴するがいい。しかし、もともと懲役25年という刑の言渡しが軽すぎたのであるから、今回の控訴が、Kにとって意味があるものとなるのか否かは大いに疑問である。Kが起こした事件の内容からすれば、札幌地裁は、検察官の求刑を上回る死刑または無期懲役刑を言い渡しておくべきであった。被害者が殺害された場合、遺族には民事的にも損害賠償請求権が発生し、人命を奪った場合の賠償金額は、場合によっては1億円に達することもある。しかし、凶悪事件を起こす被告人に限って、資力がない場合が大半であり、被害者は、加害者(被告人)から全く救済を受けることができないのである。こんな馬鹿なことがあってよいはずはない。今回の凶悪犯であるKは、遺族に賠償金を支払ったのであろうか?仮に、何らの金銭的補償も行っていないとしたら、せめて「自分の命で償え」と言いたい。いわゆる「人権派弁護士」は、通常、凶悪な事件を引き起こした犯罪人の権利だけを重視する傾向がある。しかし、一番重要なのは、被害者(側)の権利である。このことを肝に銘じる必要がある。

日時:18:02|この記事のページ

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