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弁護士日記

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加藤新太郎先生の講演会に参加した

2016年06月28日

 先週の土曜日(6月25日)に、名古屋駅前で開催された第一法規出版主催にかかる研修会に参加した。研修会の対象者は、主に弁護士登録間もない若手弁護士ということであったが、私としては、かねてより著名な法律学者である加藤新太郎先生(以下「加藤先生」という。)の講演を直接聴くことができる滅多にない好機と考え、すぐに研修申込みをした。参加費用も、3,000円という格安料金であった。講演時間は、午後1時30分から、途中の休憩時間10分間を挟んで、午後4時までのものであった。講演の正味時間は、2時間20分である。
 加藤先生は、私の母校である名古屋大学法学部のご出身である。加藤先生は、昭和50年(1975年)春に東京地裁の判事補に任官された。その年は、私が、名古屋大学を卒業し、地方公務員となった時期と重なる。
 加藤先生は、その後、司法研修所の教官などの要職を歴任されたが、たまたま私が司法研修所で学んでいた当時(昭和63年春~平成2年春)も司法研修所におられたため、食堂等でお姿を目にしたことがあった。加藤先生は、現在は弁護士登録をされ、中央大学法科大学院で教鞭をとっておられるとのことであった。また、東京にある有名な法律事務所の顧問もされておられるとのことである。
 さて、当日加藤先生が話された内容であるが、主に若手弁護士を対象にして、どのような点に日々留意していけば、将来は一流の弁護士となれるかという話であった。加藤先生は、一流の弁護士となるためには、当たり前のことであるが、法律知識が豊富でなければならないと説かれる。豊富な法律知識を蓄積するためには、日々の勉強が欠かせないのである。
私の経験でも、弁護士になりたての若手の中には、何を勘違いしているのか分からないが、自己紹介の中で、「ゴルフがうまくなりたいと思います」などと書いている者がときどきいる。このような紹介をされると、私などは「この人は大成しないな・・・」と思ってしまう。
 また、加藤先生は、単に法律知識が豊富だけでは不十分であり、高い見識、広い視野、深い発想なども重要であるとされる。確かに、そのとおりである。単に法律知識が豊富なだけでは、その弁護士は、単なる「法律屋」で終わってしまう危険がある。
 周囲の人々が、「これは少しおかしいのではないか?」と考えるような事柄について、違法ではないから何ら問題ない、と強弁するような弁護士がこれに該当する。確かに、違法でなければその行為を行うことは許されるのであるが、それは法律的に許されるというにとどまり、人間としても許されるということではない。
 加藤先生は、ご自分が経験された数多くのエピソードを紹介された上で、このような場合はこうすれば良いとか、このような点に注意が必要とか、対処法を懇切丁寧に伝授された。若手弁護士にとっては、またとない勉強の機会となったのではなかろうか。
 私の経験でも、例えば、締め切りまでに提出すべき書面を裁判所に提出せず、裁判の当日又は前日に慌てて提出してくる弁護士に出会ったことが何回もある。これらの「B級弁護士」は、自分のやっていることがおかしいということ自体に気が付いていないのである。
 今回の講演会においては、質問の時間もとられており、5、6名の弁護士から質問が出た。若手の弁護士の質問の中には、私からみれば「何か勘違いをしているのではないか?」という初歩的質問もあったが、加藤先生はこれらの質問に対しても丁寧に答えられていた。若手弁護士にとっては、どうすれば将来一流の弁護士になれるかのコツをなるべく早期に体得しておくことは非常に重要であり、今回の講演会は、その良い機会となったのではなかろうか。 

日時:14:25|この記事のページ

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