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弁護士日記

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安倍首相はそろそろ退陣の支度をされた方がよい

2016年12月19日

 本年12月15日・16日と、日ロの首脳会談が開催された。結果は、事前の予想どおり何の収穫もない無残な結果で終わった。
 そもそも、今年に入ってから、最初のころは、今回の山口県で開催される日ロの首脳会談において北方領土問題について前進がみられるのではないかという希望的観測が広まった。ところが、本年12月15日が近づくにつれて、安倍首相の発言は、明らかのトーンダウンしてきていた。そのため、会談が開かれる前の時点で、北方領土問題についての進展は期待できないという空気が大勢を占めるようになった。
 蓋を開けてみると、やはりそのとおりの結果となった。あえて言えば、事前の予想よりも悪い結果となった。なぜ、悪い結果となったと言えるのかというと、領土問題の解決を進展させる話題は一切なく、他方、ロシアが望んでいた経済協力は、しっかりと合意が成立したからである。
 一番おかしな話は、日ロ双方で、北方四島の共同経済活動の実現に向けて協議を開始し、「特別な制度」の仕組みに基づく共同経済活動を推進するという話である。私は、この話を聞いたとき、「安倍首相は、今後、実現不可能な話を実現しようと考えている。これではダメだ」と感じた。仮に安倍首相が、本気で、雲をつかむような計画を実現可能と考えているのであれば、考え方が甘すぎる。安倍首相の賞味期限は、相当近くまで至っていると思わざるを得ない。ここで、「賞味期限」という言葉を使ったが、換言すると安倍首相には今後期待できないという意味である。
 しかも、ロシアのプーチン大統領は、仮に将来、両国で平和条約を締結し、歯舞諸島と色丹島を日本に引き渡すことがあったとしても、島の主権までは日本に渡すということではない、という狡猾な理屈をこねている。
 しかし、主権がロシアに留保されたまま、仮に、歯舞諸島と色丹島が我が国に引き渡されたとしても、全く意味がない。普通の考え方では、「島を引き渡す」とは、当然に主権も引き渡すという意味である。ところが、上記したようにロシアは、島は引き渡しても、主権は引き渡すつもりは一切ないというのである。このような詭弁を弄して何とも思わないプーチン大統領を信用することは極めて危険である。
 主権がないということは、裁判権、行政権及び立法権は、全部ロシアにあるという意味である。例えば、何十年か後に、色丹島が我が国に引き渡されたが、居住するロシア人と日本人の間に事件が発生したとする。この場合、ロシアに主権があるということは、ロシアの法律に従って訴訟手続を行うということであり、裁判官もロシア人が務めることになる。
 そのような状況下で、日本人とロシア人との間に発生した事件又は紛争に対し、果たして、公平な司法判断が下されるであろうか?私は、ほとんどの場合、ロシア人にとって有利な判決が出ると予想する。そのような島に日本人が仮に居住することができたとしても、その生活は決して快適なものではなく、昔風に考えれば、植民地に居住する支配下国民と実態は何も変わらないというべきである。
 ロシアという国は、ウクライナ紛争でも分かるとおり、仮に遠い将来、北方領土のうちの歯舞諸島と色丹島が我が国に返ってくることがあったとしても、島の中でロシア人が「国民」としての資格で生活できる限り、いったん何か紛争が発生すれば、武力で事態を解決してくる可能性が極めて強い。現にウクライナの領土であったクリミア半島は、今では、戦争の結果、多数を占めるロシア系住民が支配する独立地域となっている。したがって、仮に遠い将来、歯舞諸島と色丹島が主権をロシアに留保されたまま返還されたとしても、そのような状況は、我が国にとっては100%無意味なのである。
 なお、旧島民の自由な往来を実現したいという希望を旧島民が有していると聞く。気持ちは分かるが、一体、どのような法的立場で島を訪問するというのであろうか?
 島に渡ったとしても、果たして自由な経済活動をすることができるのであろうか?仮に許されるとしても、主権が我が国に認められる可能性は、当面のところゼロである以上、あくまでロシア法の規制を受けた活動となる。結局、旅行者としての立場で訪問するのと大差ない。であれば、そのようなことにどれほどの意義があるのか、大きな疑問が生じる。
 以上、主権を伴わない北方領土の返還は、我が国にとって全く無意味である。今回、ロシアのプーチン大統領は、仮に遠い将来、平和条約が締結されて歯舞諸島と色丹島が日本に引き渡されることがあったとしても、主権は譲らないと明言しているのである。そうであれば、今回、安倍首相がロシアに約束した3000億円もの経済協力は、ドブに捨てた「死に金」と同じであると断定してよい。
 つまり、今回、安倍首相が行った選択は、歴史的に見た場合、太平洋戦争における真珠湾攻撃のように、我が国の歴史に大きな禍根を残したものと言うほかない。完全に間違った選択をあえて実行した安倍首相には、そろそろ退陣を願うほかない。
 私個人としては、択捉島は完全にロシアに帰属させ、他方、国後島、歯舞諸島及び色丹島は完全に我が国の領土として明確に分割するという案を実現するほかなく、共同経済活動という意味不明なアイデアにはあくまで反対する。

日時:15:54|この記事のページ

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