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弁護士日記

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参議院議員選挙について(2)

2010年07月09日

 いよいよ7月11日は、参議院議員選挙である。菅内閣が成立した当初は、内閣支持率も予想外に高く、民主党としても、早期の選挙を有利と見て、7月11日の選挙を決めたようである。ところが、菅総理は、選挙日程を決めた後に、消費税率を引き上げる必要があるという政策をぶち上げてしまった。確かに、現在の国家財政を冷静に見た場合、消費税率の引上げは不可避であると私も考える。
 しかし、タイミングがいかにも悪すぎた。なぜ、この時期に、唐突とも思える消費税論議を始めたのか?参議院選挙で多数を得られなければ、民主党が考える消費税率の引上げも不可能となるのである。その原因は、菅内閣発足時の意外な高支持率に目が奪われ、それを背景に消費税の論議をしても、選挙には余り悪影響がでないと予想したためではないか。また、今回新たに民主党の幹部に登用された者の中には、消費税率を早期に引き上げる必要があるという持論の持主がいて、政策が、その論者に影響された結果ではないのかと思われる。この点は、戦術がいかにも稚拙であったというほかない。
 選挙というものは、戦争と同じで勝たねば意味がない。戦争に負けると、歴史的にみて良いと思われることをやっても、戦勝国側からは、「それは悪いことだった」とすべてが否定されてしまう。要するに、勝てば官軍であり、勝った側の論理が、全部正当化されてしまうのである。選挙も同様であり、いくら善戦しても、落選すれば、ただの人になる。落選したような者の主張など、誰も聞いてくれないのである(もちろん、次回の選挙に雪辱を期するということで政治活動することは、それなりに意味のあることであって、否定はしないが。)。
 さて、話を元に戻す。民主党は、昨年(平成21年夏)の総選挙で勝利した。その原因は、従来の自民党中心の政治では、日本は駄目になるという意識を国民の大多数が持ったからであった。確かに、自民党の政策は、政界・財界・官僚が手をつないで、お互いの利益を守ろうとする政策であり、そのような反国民的政策が、今後も継続することは、国民の目から見れば、良くないことと写ったのである。その感覚は正しかった。
 しかし、昨今、民主党も自民党と同じではないかという声が多くなっているように思える。しかし、それは、余りにも短絡的な考え方である。民主党は、政権をとってからまだ1年も経過していないのである。ここは、ある程度長い目で見てやる必要があるのではないか。仮に、参議院選挙によって、再び自民党が力を持つようなことがあったら、改革は元の黙阿弥となって、旧体制が復活することになる。その場合、そのつけは、国民が払うことになろう。そうなってから後悔しても遅いのである。

日時:17:44|この記事のページ

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