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弁護士日記

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藤井・前美濃加茂市長の姿勢に疑問あり  

2017年12月20日

 新聞報道によれば、岐阜県の美濃加茂市長であった藤井浩人氏は、最高裁の上告棄却決定を受けて、18日、異議の申立てを最高裁に行ったとの報道がある。
 藤井氏は、名古屋地裁で事前収賄の起訴事実に無罪判決を勝ち取った。しかし、名古屋高裁では逆転有罪となり、最高裁に上告したものの、11日に上告が棄却され、有罪が確定した。
 これに対し、藤井氏は、最高裁に対し異議の申立てを行ったのであるが、ここまでは普通の手法といえよう。しかし、19日の新聞報道によれば、仮に異議申立が退けられ、さらに再審請求も認められなかった場合は、民事訴訟を提起し、虚偽の供述を行った業者の男性に対し、「男性の虚偽の供述のために、刑事裁判で有罪が確定し、市長の身分を失ったことに対する損害賠償訴訟を起こす予定」との報道を聞き、私は疑問に感じた。
 今回の事件に関し、私は新聞報道に書かれたこと以上の事実を知るわけでもないから、本当に藤井氏が無実なのか、あるいは有罪とした名古屋高裁及び最高裁の判断が正しいのかの点は不明である。
 しかし、最高裁の決定が出る前の時点、つまり名古屋高裁において有罪の判決が出た直後の時点で、藤井氏の弁護人である郷原弁護士が、非常に自信満々の態度であったことが気にかかる。何か、名古屋高裁の裁判官は全く真実が分かっていない(有罪ではないことは、誰の目にも明白だ)といわんばかりの説明がされたことには、やや違和感があった。ある意味、有罪判決を下した3人の裁判官を批判したような様子がうかがえたのである(ただし、この点は私個人の印象にすぎず、そのような事実があったという意味ではない。)。
 果たして、一刑事弁護人が、そこまで言い切ってもよい事件であったのかどうか、という点には疑問が残る。より慎重な姿勢が望まれたのではないか、と思うのである。
 今回、藤井氏は、将来、贈賄側の業者の男性を民事事件で訴えることがあり得るという。
 しかし、これは疑問である。確かに、民事訴訟として成立することには疑いがないが、しかし、その訴えが裁判所で認められる可能性があるかと問われれば、非常に厳しいというべきだからである。贈賄側の男性は、賄賂を藤井氏に送ったということで有罪となった。かたや賄賂を貰った側の藤井氏も、今回の裁判で有罪となった。したがって、司法の判断は、贈賄側も収賄側もいずれも有罪である、という判断で固まったのである。そのような状況下、藤井氏が、業者の男性に対し、「賄賂を贈ったという嘘の証言(供述)で、自分は市長を辞めることになった。これは、民事上の不法行為に当たるから、損害の賠償を求める。」と民事事件で訴えても、刑事事件の確定判決は、藤井氏は賄賂を貰ったということで固まっているのであるから、「嘘の証言(供述)はけしからん。一体どうしてくれる。」と息巻いても、そのような主張が民事裁判所で認容されるとは思えないのである。
 藤井氏は、将来は、政治家の世界に戻りたいとの意向を持っているようである。であれば、今回の刑事裁判の経験を通じて、何が失敗原因であったのかを反省することに時間を費やした方が、時間の使い方としては有意義であると考える。
 藤井氏は市長に当選する前は市議会議員であり、その前は、地元で学習塾を開いていたと聞く。今回の容疑は、市議会議員時代に発生したことであり、当時、藤井氏の社会経験不足に付け込まれた事件であったといえよう。その意味で、「脇が甘かった」ということである。
 政治家の周辺には、得体のしれない輩が次々と寄ってくると聞く。政治に関わりを持つということは、ある意味、危険が伴うということであろう。十分に気を付けたいものである。

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