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弁護士日記

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日高義樹著「米朝密約 なぜいま憲法改正、核装備か」(徳間書店)を読んで(その2)

2018年01月12日

 前回、日高義樹氏が著した上記の本について簡単に紹介させていただいた。
 今回以降3回にわたって内容をお知らせしたい。
 第1章は、「米・北朝鮮戦争はいつ始まるか」というタイトルである。
 この章では、一体、アメリカ軍は、具体的にどのように北朝鮮を攻撃するのかについて書かれている。北朝鮮を攻撃するといっても、戦闘機をどこから飛ばすのか、空母はいつ日本海に出てくるのかなど、具体的に質問された場合、これに的確に答えることはなかなか難しい。
 日高氏によれば、アメリカ軍の北朝鮮攻撃には、3つの方法が使われるという。
 第1段階として、グアム島の空軍基地から、B-1B戦略爆撃機が北朝鮮を爆撃する。これとともにB-2爆撃機も攻撃に参加する。攻撃の手段は、JDAMと呼ばれるレーザー誘導爆弾である(ただし、核兵器ではない)。レーザー誘導爆弾は北朝鮮の国内の目標を正確に攻撃する(19頁)。
 第2段階として、日本の三沢基地からF-16戦闘機が、また、岩国基地からF-35B戦闘機が、さらに、沖縄の嘉手納基地からF22爆撃機が攻撃に加わる。これらのうち、F-35Bは最新鋭のステルス戦闘機であり、敵である北朝鮮がこれの侵入を発見することは難しいという。
 これらの攻撃は、アメリカ空軍による空からの爆撃を内容とした攻撃ということになる(21頁)。
 第3に、アメリカには多数の空母による強大な打撃力があり、これらのうち、今回の北朝鮮攻撃に用いられるのは4隻と予想される。これらの4隻の原子力空母に搭載されている約300機にのぼる戦闘機は、北朝鮮の近海に展開し、北朝鮮内の攻撃目標に対し切れ目のない波状攻撃を行う(23頁)。
 さらに、アメリカの原子力潜水艦は、1隻当たり150発程度の巡行ミサイルを搭載することができ、今回の北朝鮮攻撃に当っては計4隻の原子力潜水艦が投入されるとのことである。海中から攻撃目標に向けて発射された巡行ミサイルは、北朝鮮内の軍事施設等を破壊する。
 アメリカは、既にこれらの攻撃準備を終えており、あとはトランプ大統領の命令があれば、その日のうちに攻撃が開始できるようである(28頁)。
 ただし、アメリカ軍が、地上軍(海兵隊)を投入する気は現時点では全くないようである(31頁)。また、上記のような強力な攻撃を北朝鮮が受けても、必ずしも全部の軍事施設が破壊される保証はなく、生き残った北朝鮮のロケット、ミサイル、大砲から発射された弾丸は、韓国のソウルに到達し、ソウルが火の海となることは避けられない(28頁)。
 また、その際、北朝鮮は、国際法で使用が禁止されている生物化学兵器を使ってくることは間違いなく、例えば、ミサイルに搭載された猛毒のサリンが、ソウル市内の大気に拡散した場合、その人的被害は計り知れないものとなると予想される。
 日本人は、我が国が隣接する朝鮮半島において、このような危険な状況が発生しているということを肝に命じておく必要がある。

日時:15:56|この記事のページ

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