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弁護士日記

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岐阜県職員の能力に不安あり

2018年12月20日

 私の地元である岐阜県では、豚コレラの問題が長引き、一向に終息の気配をみせない。
 発生源は、現時点では確定されていないが、県内(美濃地方)で生息する野生のイノシシに対し、何らかの外来的ルートで、豚コレラ菌が感染し、感染した野生のイノシシと家畜である豚が接触したことによって、家畜である豚が豚コレラに感染してしまったのではないかという説が有力である。
 ここで、なぜ行政は、初動時に強力な防疫体制をとらなかったのであろうか、という疑問が発生する。岐阜県の行政のトップは、いうまでもなく古田知事である。しかし、古田知事は、防疫の専門家ではなく、現実の実務は、その方面の専門知識を備えた技師に委ねられている。
 したがって、岐阜県の担当部署の技師が、あらゆる可能性を想定して、初動時に徹底した対策を講じていれば、今頃は、豚コレラの問題は収束していたと考えることもできる。
 この事態に関し、新聞報道によれば、吉川農林水産大臣は、12月19日の農林水産省豚コレラ等家畜伝染病防疫対策会議で、岐阜県のたるんだ姿勢を強く非難し、「岐阜県に対して厳格な指導を行わなければならない」とまで言い切った。
 近年、外国からの旅行客が増加の一途を辿っている。外国からの客が増えれば、内需拡大につながり景気にはプラスであるという意見が多い。しかし、何事にもプラスの面とマイナスの面があることを忘れてはいけない。
 外国からの旅行者が、外国から病原菌を連れて、岐阜県内に入ってくる可能性を十分に想定する必要がある。場合によっては、豚コレラを上回る恐ろしい菌が、国内に侵入することも予想する必要があるのである。
 ここで私が思ったこととは、岐阜県職員の能力が以前と比べ、かなり低下しているのではないかということである。
 同じ農政部では、数年前に、農地の転用許可申請に対し、不許可とされた住民が岐阜県知事に対し不服申立てを行ったが、農地担当の職員が、それに対し適法に対処せず、何年も放置して、後任者に申し送りされていたという記事を岐阜新聞で読んだことがある。
 このようなことは、昔は全くあり得ない事態であった。私が岐阜県に在職していた当時は、農地転用担当の職員は、中央大学法学部の卒業生を中心に、時期によって多少の変動はあったが、名古屋大学法学部、京都大学法学部、同志社大学法学部などの有名校の卒業生が、農地事務を担当していた。皆、法律のことがよく分かっていたのである。
 しかし、現在のレベルについてはよく知らない。ところで、岐阜県職員の採用試験(公務員試験)が、近時、人物中心のものに変容しているという情報がある。
 つまり、一次試験は、一般常識、専門知識、作文などを通じ、学力を測定することになっている。学力試験であるから、学力のない者は、当然、採用試験に落ちる。箸にも棒にもかからない受験者は、ここで脱落する。ところが、二次試験は、一次試験の内容を白紙に戻し、つまり一次試験の点数を全く考慮することなく、集団討論、個別面接で最終合格者を決定しているという。実におかしな方法を岐阜県はとっていると聞く。仮にこの情報が正しいとすれば、学力はあまりないが、口がうまく、相手方に好印象を与える受験生が最終合格できることになる。極論すれば、「チャラ男」のような人物が、晴れて岐阜県職員として正式に採用されることになる。
 しかし、このような馬鹿なことはない。公務員として採用される最大のポイントは、学力のレベルであるはずだからである。好人物であるか否か、又はコミュニケーション能力があるか否かは、あまり関係がないのである。
 国の省庁でも、例えば、財務省とか経済産業省のような有力省庁にいけばいくほど、国家公務員試験の学力試験の最上位者でないと、採用されないというのは、今や万人の知る常識である。
 なぜ、学力が必要かといえば、行政職であれば、「法律による行政」を遂行する義務があるからであり、それを可能にするのは、法律に対する専門知識である。つまり、法律職であれば、法律に対する高度の知識が求められるということである。技術職であれば、何らかの問題が発生した場合に、迅速に効果的な対策を講ずるため、どのような手を打てばよいかを知るためには、深い専門知識が必要不可欠となる。
 しかし、現在、岐阜県職員の採用試験においては、そのような専門知識はほとんど要求されていないため、事なかれ主義の、ゆるゆるの行政がまかりとおり、結果、私を含めた県民は、職員の専門能力に不安を覚えるわけである。前記の二つの事件は、そのことを如実に示していると考える。
 私としては、すみやかに、岐阜県職員採用試験の内容を見直し、学力重視の方向に改める必要があると考える。また、もっと意欲のある清新な人物に、岐阜県知事を務めてもらいたいと考える。

日時:15:49|この記事のページ

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