昨年秋に、李栄薫氏の編著になる「反日種族主義」(文藝春秋)を買った。しばらくの間、いろいろと忙しかったため、手にとって熟読する暇がなかった。現在、中国発の武漢ウイルス(世間では新型コロナウイルスと呼んでいる。)が原因となって、人々の行動までが大きな制限を受ける事態となったため、家で読んでみることにした。
今後、何回かに分けて内容を紹介する。世の中には、いわゆる嫌韓本が多く出ている。私も目にとまったものは読むようにしている。しかし、どの本を読んでも、韓国に対する嫌悪感が増すばかりであり、読んでも決して楽しくはない。大部分の日本国民が韓国に対して嫌悪感をいだいていることも納得できる。
そこで、日本人ではなく、韓国人が書いた本がないかと思っていた。その方が客観性に優れていると思ったからである。すると、上記の「反日種族主義」という本に出合ったのである。この本は、昨年の秋には、マスコミなどでも大きく取り上げられていたので、内容は大方予想できた。
しかし、実際に読んでみて、韓国人が、ここまで自国(韓国)の間違いを徹底して厳しく指摘する態度に驚いた。学者である著者が、このような本を書いて出版するに至った真の動機とは何か?それは、このままでは韓国はいずれ滅亡してしまうという危機感であると理解できた(339頁)。
この本は、李栄薫氏のほかに5人の学者が執筆している。第1部「種族主義の記憶」は第1節から第10節まで、第2部「種族主義の象徴と幻想」は第11節から第17節まで、第3部「種族主義の牙城、慰安婦」は第18節から第22節まで、という構成になっている。
この本は、学者がデータや事実を基に、問題点を論じているという特徴がある。裁判に例えれば、「証拠に基づく事実の認定」ということである。基本中の基本と言える。
詳細な本であるため、以下、原則としてこの本の記述の原文をいちいち引用することはせず、引用頁を明記することとする。
プロローグでは、韓国の文化は、特徴をあげれば、嘘つき文化であると指摘されている(14頁)。例えば、韓国人がよく嘘をつくことを示す事実をあげると、偽証罪で起訴された韓国人は、2014年は1400人にのぼり、日本の172倍の多さを示している。そのため、「お互いが信じ合えないので各種の訴訟が入り乱れています」と述べる(15頁)。単一民族でありながら国民の間に信頼感がない場合は、訴訟件数が多くなるという分析はそのとおりであろう。
そして、嘘つきの文化は一般国民だけではなく、政治が嘘つきの模範を示し(15頁)、さらに、学問の世界でも、特に歴史学や社会学は嘘の温床となっており、韓国の大学は「嘘の製造工場です」とまで言い切る(18頁)。
では、正義を実現する役割を担っている裁判所はどうかといえば、「何が事実で何が嘘であるかを弁別できず、国の根幹を揺さぶるでたらめな判決を下しています」と切り捨てる(19頁)。いわゆる徴用工判決を下した大法院(日本でいえば最高裁)の裁判官自身が、幼い頃から嘘の教育を受けて育ってきたため、原告の主張する嘘に対し疑いを持たなかった(22頁)、そのため、デタラメな判決を下してしまった、にもかかわらず平然としているということである。
著者である李栄薫氏によれば、反日種族主義の原点は、韓国社会の伝統となっているシャーマニズムに求められる(24頁)。氏によれば、シャーマニズムの集団は、種族や部族であり、種族は、隣人を悪の種族とみなし、不変の敵対感情を持つ。未開の社会にあっては、よそ者は敵という感情は自然であろう。
そして、韓国人は、隣国である日本を「永遠の仇と捉える感情」つまり敵対感情に支配されていると分析する。その結果、氏は、「これをそのままにしておいては、この国の先進化は不可能です。先進化どころか後退化してしまいます。嘘の文化、政治、学問、裁判はこの国を破滅に追いやることでしょう」と結論付ける(24頁)。氏の憂いは、深刻である。
まだ、この本には、これでもかこれでもかというように、次々と韓国の嘘つき文化の問題性が指摘されているが、これらの点は、私が事前に認識していたこととほとんど一致した。
私の持論は、日本は韓国と関わりを断つ、より正確にいえば、極力、外交関係を持たない方針で臨むのが一番だということである。
ところが、反日マスメディアないし反日評論家の連中は、しばしば「そんなことをしたら、日本の防衛線が対馬海峡まで下がってしまう。それはいけない。やはり、韓国を西側の勢力に引き留めておくことが、日本の防衛を考えた場合、望ましい」などと平然と嘘を述べる。その結果、このような嘘を信じた善良な日本国民が増えていないか、私は心配である。
なぜ、反日左翼マスメディアの主張が嘘だと断定できるのか?
自分の頭でよくよく考えてみれば分かることであるが、第1に、日本の周囲は、既に敵対勢力に包囲されているという現実があるからである。分かりやすい例は、尖閣諸島である。尖閣諸島の周辺には、それを遮る海上の壁などなく、中国と直に接している。仮に対馬海峡が防衛の最前線になったとしても、尖閣諸島の場合と比べ大差ない。事態は同じである。
また、わが国の北方領土である択捉島、国後島、色丹諸島には、現にロシア軍が常駐している。仮に、今後、韓国が北朝鮮に飲み込まれて、結果、朝鮮半島の最南端であるプサン付近に中国軍が常駐することになっても、ロシアの場合と、脅威という点では、ほとんど変わらない。韓国大統領の文(ムン)は、内心は、北朝鮮と連合国家になろうと考えている人間であると私は考えている。韓国を共産化することもいとわない人間であると感じる。非常に警戒すべき人間である。
韓国という国は、嘘つきの国であり、国家間の約束を守ろうとはしない。その国民は、老いも若きも、24時間、心の中では日本を恨んでいる。機会あれば日本の評判を落とそうと虎視眈々としている。日本の足を引っ張ることに執念を持っている。
これが一般社会人の世界であれば、そのような信用できない危険人物との交際は、断ち切るのが普通の最善の対処法となる。厄介な人物(暴力団員)、あるいは厄介なクレーマーとは極力交際しない、関係を断つ、自分に接近させないように注意を払うのが普通の大人の常識である。
反日マスメディアの正体とは、このような日本の国益を害する国との腐れ縁を断つことを妨害しようとする勢力ということもできる。戦前にも、ソ連のスパイであるゾルゲが、国家の中枢部に秘かに侵入し、国政を外国(ソ連)に有利になるようゆがめようとした史実もある。
日本人もそろそろ、自国の利益を第1に尊重するという普通の国民に脱皮するべきである。
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