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弁護士日記

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損保と闘う(13)

2014年04月03日

 私の基本的スタンスとは、交通事故紛争においては、あくまで被害者側に立って、その利益を最大限擁護するというものである。今後もその方針にいささかの変更もない。
交通事故紛争を解決する手段として、大きく二つのものがある。第1に、日弁連交通事故相談センターに対し、示談あっ旋を申し立て、その場で、中立的立場に立つ示談あっ旋担当者(弁護士)から提示されたあっ旋案を双方が検討し、これを受諾するという方法がある。
 第2の方法として、訴訟を提起するという方法がある。
 第1の方法と第2の方法には、それぞれ長所と短所がある。
まず、示談あっ旋の長所とは、比較的短時間に紛争が解決するという利点がある。また、費用がほとんどかからないというメリットもある。
 反面、示談あっ旋の場合、真ん中に立つ示談あっ旋担当者としては、加害者側つまり加害者が加入している損保会社の意向も十分に考慮する必要があることから、やや控えめの金額を査定せざるを得ないという事情がある。これは、加害者側にとっては有利な話である反面、被害者側にとっては不利な状況となる。
 これに対し、訴訟の場合は、時間がかかるという短所がある。これは双方にとって短所となる。反面、裁判官が判決という形で、白黒をつけることになるから、示談あっ旋の場合とほぼ同額の金額が出るか、あるいはそれを上回る金額が出る可能性が高い。
 しかも、訴訟の場合は、弁護士費用と事故日からの遅延損害金がプラスされるため、被害者は、ほぼ間違いなく、示談あっ旋で示された金額よりも、高額の賠償金を受けとることができるのである。
 なお、訴訟の場合、被害者の方で、自分が依頼する弁護士の費用を自己負担しなければならないというデメリットがあって、以前はこれが訴訟提起を躊躇させる原因となっていた。ところが、最近では、被害者側が自分が契約する保険会社との間で、「弁護士特約」を結んでいることが多く、弁護士特約をうまく活用すれば、弁護士費用は300万円までは実質的にかからない結果となっている。
 当事務所では、原則的に訴訟を選択しているが、何か特別の事情があれば、示談あっ旋の申立てをすることにしている。最近(本年1月に申し立てた事件)、高齢家事労働者の損害賠償額が問題となった示談あっ旋事件があった。
 せっかく示談あっ旋担当者が苦心して示談あっ旋案を作成してくださったが、何と損保会社の担当者の方から、「示談あっ旋であっ旋担当者が示した金額が多すぎる」という理由で示談あっ旋を断ってきた事件がある(4月7日に正式に不調となる予定である。)。私としては、やや少ないのではないかと内心考えていたところ、損保会社の方から断ってきたのである。
 無知とは本当に怖いものである。示談あっ旋担当者が示す金額は、ほぼ裁判所の判断に近いといってよいからである。したがって、これを拒否する方が、勉強不足に陥っているということなのである。
 ただ、私も最近経験したが、示談あっ旋を担当する弁護士に、重大な認識不足があった場合は、妥当性を欠くあっ旋案が示されることもないではない。その場合、再度、示談あっ旋を求めて申立てをするか、あるいは訴訟で解決するかという選択となる。
 弁護士としては、訴訟になった方が弁護士費用はより多く発生するし、上記したとおり賠償額も多額になるのであるから、訴訟の方が好都合に決まっている。しかし、事件処理の最終的方針を決めるに当たり、依頼者の意向は十分すぎるほど十分に尊重する必要がある。そのため、例外的に、示談あっ旋という途を選ぶこともあるのである。

日時:16:53|この記事のページ

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