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弁護士日記

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小5たかり事件と教育委員会のおかしな対応

2019年12月03日

 昨日(2日)のニュースを見ていたら、名古屋市の公立小学校で、5年生の児童が、同級生6人からたかりを受け、20万円を奪われたという事件があり、名古屋市教育委員会が記者会見で謝罪している姿を放送していた。
 ここで、私は違和感を覚えた。報道では「いじめ」という表現を使っていたが、果たしてこのような表現で正しいか。刑法249条1項は、「人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」と規定する。
 ここでいう「恐喝」とは、被害者を畏怖させて財物を交付させる行為を指す。例えば、他人の犯行現場をたまたま目撃した者が、「警察には黙っていてやるから、口止め料として100万円よこせ」と告げたような場合がこれに当たる。
 今回、被害に遭った児童は、同級生6人から「お金を持ってこないとのけ者にする」などと告げられたという。大人が普通に考えると、そんなことで、子供が畏怖するはずがないと思うかもしれないが、状況次第では、十分に被害児童を畏怖させる効果があったと考えられる。そうすると、加害児童6人の行為は、恐喝罪に当たる可能性を排除できない。
 つまり、ニュースでいう「いじめ」というものでは説明できない可能性がある。また、一般論として考えても、他人から金銭を奪うという行為は、極めて悪質なものということができる。
 6人の悪童には徹底した指導と教育が必要である。単に、被害者に謝ったら、それで許されるなどと考えていたら、甘い。奪ったお金を返済することは当然であるが、精神的苦痛を受けた慰謝料として60万円程度の賠償金を6人が連帯して支払う必要があるのではないか。
 仮に賠償金を支払うのが嫌だという態度を示した場合、行動で反省の態度で示してもらう必要がある。6人は、学校の運動場に出て、全校児童が見ている前で、被害児童に対し、謝るべきである。これくらいの罰を与えないと、悪童は、将来、本当の悪党になる危険がある。
 問題は、名古屋市の教育委員会が、本年10月上旬に異変に気が付いた被害児童の保護者から学校に連絡があり、さらに学校から報告を受けたにもかかわらず、いじめ防止対策推進法でいう「重大事案」に該当するとの認定を行ってこなかったことにある。
 普通に考えれば、重大事案に当たることは容易に判定できるのである。それを12月2日に至るまで放置してきた名古屋市教育委員会の怠慢は、重大な失態に当たる。
 いつものことであるが、なぜ教育委員会は、こうも「とろい」のか?
 原因はいろいろあろうが、教育委員会に勤務する人的要素が、大いに関係していると考える。つまり、教育委員会には、教職員以外の一般職員も配置されているであろうが、おそらく主体は教員上がりの職員ではなかろうか。教員という職種は、学校という閉鎖された環境で、20代から60すぎの定年時までの長い期間を過ごす。大人は教員だけであり、教える対象は全員が未成年者である。
 ということは、学校の教員は、外部の普通の大人との厳しい切磋琢磨の機会が全く与えられていないということであり、いわば「井の中の蛙」のような存在である。しかも、いつも「先生」、「先生」と呼ばれている環境下にあるため、いつまでたっても、成長できない。
 教員は、そういう環境に置かれているため、世間の一般の大人の常識や知恵が、なかなか身につかないという結果になっているのではないだろうか。
 教育委員会の体質を変えることは、問題の本質が構造的な原因から出ているため、容易ではないが、例えば、人事異動の際に、教員を、一般職の部局(市長部局または知事部局)に異動させて、世間の常識を学んでもらうという方法がある。
 例えば、小学校の教員歴8年、30歳の若手を、定期人事異動によって、市役所の徴収課に移動させ、世の中の厳しい風に当てるのである。数年間でよいから、そのような環境下で過ごさせれば、事なかれ主義に固まったおかしな物の考え方が、多少なりともまともな方向に変化することを期待できよう。

 

日時:15:47|この記事のページ

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