2022年も既に3月中旬を迎え、季節も冬から春に向かっている。しかし、連日のように東欧のウクライナにおける惨状が報道されている。惨状を引き起こしている張本人は、言うまでもなくロシアの絶対的権力者プーチンである。007の映画に出てくるような狂気に駆られた独裁者である(自分が暴力を直接使うのではなく、冷酷な態度で配下の者に命令し、いろいろな殺人又は地球全体に対する悪事を仕掛けるタイプである。顔色一つ変えずに平気で嘘をつくことができる非常に悪賢い、質の悪いタイプと言える。)。
今回、大ウソつきの侵略者であるプーチンは、悪の手下と化したロシア軍を動かして、ウクライナに侵略戦争を仕掛け、ウクライナの子供や市民を無差別に虐殺している。007の映画の場合、悪の張本人は最後は殺されてこの世から消滅することになっており、これで映画の視聴者も「すっきり」した気分になることができる。私は、「人類の敵プーチンよ、地球上から早く消えろ」と言いたい。
このような中、日々日本の報道を見ていると、今何が起こっているのかを知ることができる。また、注意深く報道の内容を吟味すると、真実らしきものが、少しづつ見えてくる。本日、新たに分かったことは、元プーチンの側近であったロシア人が、「プーチンは、実は20年以上も前からウクライナ侵略を狙っていた」という言葉である。もちろん、どこまで信用してよいのかは分からないが、テレビに氏名を明かした上で顔と音声を提供していることから、かなり信用性が高いと考えられる(顔も、声も分からぬように加工した怪しい情報とは違う。)。
大嘘つきのプーチンは、もともと旧ソ連のKGBというスパイ組織(情報機関)の職員であったことから、そのような黒い計画を長年にわたって腹の中にしまっていたであろうことは容易に想像できる。つまり、非常に近い距離にある腹心には自分の本音を少しばかり開示するが、それ以外の者(外国政府)に対しては、もっともらしい大嘘を平気でつき、相手を騙し、かつ、油断・安心させるわけである。
少し前のことであるが、安倍元首相は、プーチンと交渉をして、ロシアが戦後不法占拠してきた北方領土を、両国の利益を損なわない形で返還してもらうというような、到底実現可能性のない案を掲げていたことがある。しかも、小さな島だけを返してもらうというようなしょぼい話であった。私は当時から、お人よしの安倍元首相は一体何を考えているのか?と呆れた記憶がある。
択捉島、国後島、歯舞諸島、色丹島は、もともと全部日本の領土である。4島全部を無条件で一括返還する以外に、何があるというのか?当時、安倍元首相の人を見る目がない「お坊ちゃん」ぶりには本当に失望した記憶がある。プーチンの本心は、当時から、一島たりとも返還する気はなく、世間知らずの安倍元首相を騙して、お金つまり経済援助だけを巻き上げようとしていたのである。
安倍元首相は、あたかもオレオレ詐欺にひっかかったお年寄りと同じである。ただし、当時、大手新聞社は、「領土交渉にはトップ同士の合意が必要」などという意見を述べて、安部元首相の姿勢を後押ししていたことも事実である。しかし、今回のウクライナ侵略が起きたことで、悪魔のようなプーチンの正体が世界に明らかとなった(このこと自体はひとつの収穫であった。)。それにしても、日本の外務省の役人の能力の低さには改めて驚く以外にない。霞が関の諸官庁の中では最低であると考える。
プーチンは、今回、思い付きで急にウクライナに対する侵略戦争を始めたわけではなく、何年もかかって侵略戦争の構想を練っていたことが分かる。プーチンがそのような黒い野望を持つに至った原因は、言うまでもないことであるが、旧ソ連が有していた版図(勢力圏)の復活を狙った故であることは、ほぼ間違いない。現在のロシアの周辺国を、旧ソ連の衛星国のような位置に置き直し、自国の安全を確保したいという強い欲求である。
なぜそこまで疑心暗鬼になるのかという点については、ロシア政治の専門家の意見を借りると、ヨーロッパに対する極度の恐怖心があると言う。確かに、ロシアは、昔、フランスのナポレオンやドイツのヒットラーに攻められたことがあり、絵空事でないことは確かである。
しかし、ロシアがアメリカと並んで大量の核兵器(核弾道弾、中距離の小型核ミサイル弾等)を保有していることもまた厳然たる事実であり、今日、西側諸国が率先してロシアに対し戦争を始めるという確率は、10000分の1もない。
しかし、猜疑心の塊であるプーチンは、今回、同じスラブ民族であるウクライナを攻撃したのである。このような蛮行は絶対に許すことはできない。ウクライナという主権国家を倒し、自分の意のままになる傀儡国に変えようとしたのである(人間に例えれば、ウクライナをロシアの奴隷のような国にしようとしたのである。)。まさに許されざる悪魔の行状という以外にない。
今回の侵略国ロシア対ウクライナの戦いは、単に二国間の問題にとどまらない。国民の自由・人権を無視する独裁国家(専制国家)と、自由・人権を守ろうとする民主主義国家との戦いであり、仮に侵略国が勝利するようなことがあったら、近いうちに日本も大変なことになるということである。
したがって、どのような手段を用いようと、ウクライナに勝ってもらう(少なくとも「引き分け」に持ち込む)必要がある。ウクライナが負ける形での停戦は、今後、世界平和に重大な悪影響を及ぼすことになる。「無理が通れば、道理引っ込む」という世界であっては絶対にいけない。ロシアが勝つということは、他の平和主義国も、ウクライナと同様の目に遭うことになるからである。まさに、悪と正義の戦いである。
アメリカとNATOは、直ちに参戦し、悪の帝国ロシアと正面から戦うべきである。もちろん、自分の側にも多大な被害が生じることも予想されるが、その被害は、正真正銘の侵略国ロシアが戦争に勝利した場合に世界に生じる破滅的悪影響に比べれば、ましであると考える。したがって、この戦争において、まともな国々は、ロシア軍に壊滅的な打撃を与え、ウクライナからの撤退を余儀なくさせるべきである。
また、日本は、最大限の武器援助をウクライナに行う必要がある。世界のまともな国々は、一致団結してここでロシアを経済的に徹底して潰す必要がある。今後、ロシアが二度と今回のような暴虐を起こそうとする意思と能力を完全に奪うためである。
ところで、今、ロシアが常任理事国を務めている国連は、機能不全を起こしている。しかし、国連には、ICC(International Criminal Court.国際刑事裁判所)という機関が設置されており(オランダのハーグにある。)、処罰の対象となる犯罪は、「集団殺害犯罪」、「人道に対する犯罪」、「戦争犯罪」、「侵略犯罪」の4つである(「防衛実務国際法」736頁参照)。これらのうち、侵略犯罪以外の3つの犯罪については、ICC規程12条の2によって、犯罪行為地であるウクライナがICCの管轄権行使を認めれば、ICCの検察官は捜査を開始することができるとされている。
現時点で、プーチンが法廷に出てくることはあり得ないが、仮にロシア国内でクーデターが起こり、プーチンが失脚した場合は、反対勢力によってロシア国内で拘束され、やがて被告人として惨めな姿で法廷に引きずり出されることになる。早くそのような日が現実に来ることを願っている。
なお、北海道を地盤とした有名な高齢の政治屋が、最近になって、プーチンを擁護する意見を出したようであるが、現実に起こっているウクライナ侵略を直視する限り、不見識も甚だしい。ひょっとしたら、ロシアの工作員か?と疑ってしまったくらいである。政治の世界から早く完全に引退して欲しいと願うだけである。
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