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弁護士日記

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医師と弁護士の比較(その1)

2015年05月14日

 自由業の代表として、昔からよく言われる職業は、医師と弁護士であろう。テレビドラマなどを見ても、自由業で描かれている仕事として圧倒的に多いのは医師と弁護士である。ただ、最近は、弁護士の人気が低落しているためか、テレビにおいては、医師が主人公になるドラマとか医師が解説する健康番組の方が多いように感ずる。
 ここで、医師と弁護士を比較してみたい。もちろん、比較するべき点は非常に多いので、ここでは私が注目している点のみ取り上げたい。
 第1に、費用である。医師又は弁護士から一定のサービスを受けようとする場合、金銭的な出費を要する。お金がかかるということである。しかし、お金のかかり方には、大きな違いがある。
 医師に診てもらおうとする場合、ほとんどの場合、健康保険を利用して、患者は3割だけ自己負担すれば済む。逆にいうと、残りの費用である7割は、全国民が保険料を支払うことによって負担している。患者が病院の窓口で支払う金銭的出費は、表面上は3割で済む。
 一方、弁護士の場合は、原則的に依頼者の全額自己負担である。しかも、弁護士に事件を依頼した場合に要する費用は、着手金だけで数十万円にのぼることが多い。弁護士に対し事件処理を依頼しようとする者にとっては、非常に大きな経済的負担となる。
 ただし、交通事故の場合は、被害者が任意保険に入る際に弁護士特約を付けることで、保険によって300万円まで弁護士費用が支払われることがある。ただし、保険会社によっては、いろいろと理由を付けてなるべく保険を使わせないように言ってくることがあるので、弁護士特約を付けているからと言って安心はできない。
 第2に、今後の需要予測には違いがみられる。我が国は、今後、ますます老人大国になってゆく。そのため、全体の人口に占める65歳以上の老人の比率は、ますます上がってゆく。老人は、若者よりも病気になりやすいことから、医師の人手不足が深刻になってゆくであろう。換言すれば、今後、医師になれば、当分の間は食うに困らないということである。
 一方、弁護士の場合は、既に何年も前から飽和状態に陥っている。その点は、歯科医師と同様である。要するに、需要以上に供給を増やしすぎたということである。リンゴに例えれば、リンゴが豊作になったため、リンゴの価格が暴落して、リンゴ農家としては、かえって困った状態に陥っているということに似ている。ただし、リンゴの場合は、リンゴの供給過剰状態が何年も継続するということは考えにくいので、数年経過すれば平常時の状態に戻る。
 しかし、弁護士の場合は、いったん資格をとった弁護士は、普通はその資格をそのまま生かそう考えるであろうから、供給過剰の状態は、今後、ますます激しくなると予想できる。
 弁護士の人口増加問題(司法試験合格者の増加問題)が議論されたのは、相当以前のことであったが、当時、弁護士の人口を増やすことを積極的に唱えた人々は、現在、責任を追及されるのが嫌なのか、今では皆、口を閉ざして知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいる。
 ただし、クリニックや病院などを開業して大いに儲けている自由業者の医師とて、今後は、安心はできないと私は予想する。
 なぜかといえば、上記したとおり、今後ますます老人人口が増大することによって、老人医療費が爆発的に増大するになることから、国としては、老人医療費を極限まで切り詰める政策をとってくる可能性が非常に高いからである。
 すると、多額の老人医療費をあてにして、医師などの人員を増やし、また、設備投資を積極的に行った病院経営者としては、老人がどんどん来院して多忙になる割には、収益が上がらないことになる。人件費を主たる内容とする必要経費は増加しても、利益は出にくくなるという現象が近い将来現れてくるであろう。
 そうすると、私は、特に小回りのきかない中小病院の倒産が多く発生するのではないかと予想する。つまり、倒産リスクを避けようとすれば、小回りのきく個人経営のクリニックになるか、あるいは逆に、他の近隣病院を圧倒する豪華な設備とスタッフを備えた病院にならないと、今後は、経営的には成り立たなくなるのではないかと予想する。

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