本日の岐阜新聞によれば、岐阜県の古田知事は、2023年8月28日から9月6日までの10日間の予定でフランス、ハンガリー、ポーランドの順で訪問するとのニュースが掲載されていた。
古田知事は、県民が納めた税金を使った「大名旅行」を行って一体何をしようというのか?上記の3国は、いずれも観光地として人気の国であることは言うまでもない。公務に名を借りた観光旅行または慰安旅行と言うのが実態と言うべきであろう。
新聞の記事によれば、フランスでは、アルザス欧州自治体と協力協定を結ぶほか、現地の航空宇宙博物館も視察するという。しかし、ネットが発達した現代では、協力協定を結ぶためにはネット画面上で双方の首長が対面し、協定を締結したことを宣言すれば足りる。わざわざ多額の公費を使ってまで行く必要はない。また、現地の航空宇宙博物館の視察も、世間の観光旅行の基準に照らせば、立派な観光の範疇に収まる。県政の観点から考えても、高齢の古田知事が現地に赴いて視察する意味などないのである(同じ金を使うのであれば、能力のある若手県職員を現地に連れてゆくべきであり、2年後には知事の座にいないことが予想される古田氏に視察させる意味などない)。
次に、ポーランドであるが、記事によれば「南部のシロンスク県と友好交流の覚書を交わし、岐阜ブランドのさらなる魅力発信を目指す」と書かれている。覚書を交わす程度の目的で古田知事がざわざわポーランドに赴く必要性はない。また、「岐阜ブランドの発信」とは、何を意味しているのか全く不明である。
記事によれば、古田知事は「スタートはスポーツであるが、観光の点からも素晴らしいものがあり、ショパンの国でもある。互いに内陸県で、森林文化も近しい。交流できるテーマを探っていく旅にもなる」と語ったそうである。この支離滅裂気味の古田発言から分かることは、一体何を目的としてポーランドに行くのか、古田知事自身が全く分かっていないことが図らずも露呈したということである。
古田知事は、ここ数年、コロナ対策で息が詰まるような暗い時期を送ってきた。しかし、やっと大手を振って観光旅行ができる、「やれやれ」というのが本音ではなかろうか。観光旅行をする理由など適当につけておけば良いと考えているのではなかろうか。
最後にハンガリーについては、高級洋食器メーカーである「ヘレンド」が運営するヘレンド磁器博物館で開催される「美濃焼展」の開催セレモニーに出席するという。確かに美濃焼は岐阜県のブランド陶器であり、県知事である古田氏自身が出席する必要もあろう。
このように見てくると、古田知事が行く理由を見つけることがかろうじて可能なのは、ハンガリーだけである。そうすると、日程は、せいぜい5日間程度で済むのではなかろうか。余分の5日間は、実質「観光旅行」であり、公費の無駄使いである。古田知事は、2025年に5期目を満了する。これまで華麗な官僚人生を送ってきた古田知事も、2025年をもって、ようやく権力を持たない「平民」の身分に落ち着く。古田知事は、本年、既にアジアに公費で視察旅行を行っている。今回、ほとんど時を置かずに欧州旅行である。古田知事としては、残りの知事在任期間中に海外旅行を多数回挙行し、コロナ禍で行きそびれた外国(ただし、人気観光地に限定)にどんどん「視察旅行」をしようと考えているかもしれない。県民としては、しっかりと監視する必要がある。岐阜新聞には、古田知事の今回の「欧州訪問」についても、現地における日程・行動内容をしっかりと岐阜県民に報道する姿勢が求められる。
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